突然においを感じない、原因は
神経細胞に異常か、数カ月続く人も
鼻づまりはないのに、突然においが分からなくなることが、新型コロナウイルス感染の初期症状として注目されている。
なぜ、そのような症状が起きるのか。
風邪をひいた人が、鼻づまりが治ってもにおいが戻らない例は以前からある。
しかし、鼻がつまっていないのに、においだけ感じなくなるという症例は新型コロナの特徴といえる。
*コメント
はたしてそうでしょうか?
風邪の後遺症として、鼻閉がないのに嗅覚障害のある人はしばしば経験して来ました。
もちろん、新型コロナが流行する前のことです。
イタリアの患者への調査で約8割に嗅覚・味覚障害があったという論文もある。
原因は専門家の間でも議論が続くが、においを感じる仕組みが影響していると
も考えられる。
人が鼻から息を吸うと、空気は「下鼻甲介」と呼ばれるひだの周囲を通って気
道や肺へと流れる。
風邪の場合は、下鼻甲介が腫れて鼻呼吸ができなくなり、においも分からなくなる。
一方、空気中にあるにおいの分子は「上鼻甲介」という別のひだの周辺の「嗅
裂」にある嗅神経細胞に届くことで、脳に「においの情報」として送られる。
嗅神経細胞が新型コロナからダメージを受け、情報を受け取れなくなっている可能性がある。
上鼻甲介周辺にある「嗅粘膜」の表面には、新型コロナが侵入しやすいたんぱく質が多くある、という論文もある。
下鼻甲介周辺に問題がなく、上鼻甲介周辺が炎症を起こしている新型コロナ患者も確認されてる。
突然においがしなくなった場合は、いきなり耳鼻科に行かず、コロナに感染した可能性を意識しておきたい
新型コロナによる嗅覚障害は、人によって数カ月治らないのも特徴だ。
本来と異なるにおいがする「異嗅症」という後遺症も確認されている。
新型コロナに感染した患者の中には、卵焼きやコーヒ豆、カレーなどが同じように「焦げ臭い」と感じる。
異嗅症はインフルエンザなどでも起こり、焦げたにおいは典型だ。
神経がダメージを受けても、生命の維持に必要な機能は最後まで残り、「火災の危険」を感じられるようにするためという推測もあるが、詳しい原因は不明だ。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2020.11.8
<関連サイト>
新型コロナに感染した人の鼻のCT像
https://aobazuku.wordpress.com/2021/04/08/新型コロナに感染した人の鼻のct像/