夏に流行の手足口病 大人も感染、重症化に注意
夏に目立つ手足口病。
原因はウイルス。
2020年は新型コロナ対策もあってか、かからなかった子どもが多く、免疫がないため、油断すれば流行しかねない。
大人が感染する可能性もある。
予防・対処法を知っておこう。
手のひら、足の裏、口の中などに小さな水ぶくれができる。
尻や陰部に生じる場合もある。
それほど高くはならないことが多いが、発熱もする。
治って数週間してからも、爪がはがれるといった症状がまれにみられる。
手足にできる水ぶくれは米粒から小豆ほどの大きさで硬い。
子どもの場合は痒がったり痛がったりすることはあまりないとされている。ただ、大人が感染すると痛みが強く出ることが多く、歩くのに支障を来すこともある。
＊大人が気づかず受診、ウイルスの型多く
乳幼児に多い疾患としてよく知られているため、大人が感染しても、手足口病とは気づかないまま医療機関を受診する例が少なくない。
自己判断で市販のステロイド剤を発疹に塗るといったことは避けたい。
手足口病の原因となるのは主に「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」。
こうしたウイルスには100種類以上の型があるとされ、年によって流行する型が異なることが多い。
感染すると、その型には免疫ができるが、別の型に感染すれば再び発症してしまう。
長い間流行していなかった型のウイルスが広まると、その型に免疫のない大人の感染者も増えてしまう。
＊飲食難しく、栄養・水分補給を意識して
手足口病に感染した場合はどうすればいいのか。
口の中に水ぶくれができると飲食がつらく、栄養・水分不足になりがちなので注意したい。
酸味や刺激の強いもの、味の濃いものは避け、それほどかまなくても食べられる薄味の食事を用意しよう。
消化のよいおかゆやうどん、ヨーグルトなどが向いている。
水分補給には経口補水液などを活用するとよい。
常は1週間ほどで発疹が治まり、熱も下がって自然治癒する。
手足口病に対するワクチンや治療薬は基本的にないが、症状が重いときに痛み止め、かゆみ止めの薬を使う場合はある。
ウイルスの型によっては重症化しやすいものがあり、髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の重篤な合併症を起こす場合がある。
大人が感染して重い症状が出るときもある。
高熱や頭痛、吐き気、けいれんなどがみられる場合、速やかに医療機関を受診するようにしたい。
飛沫・接触感染でウイルスが広がる。
新型コロナ対策は手足口病の予防にもつながる。
予防策としてマスクの着用や手洗い、うがいを徹底したい。
こうした対策が進んだせいか昨夏は手足口病の罹患数は極端に少なかった。
コメント；
その解釈でいくと、インフルエンザの罹患患者が極端に少なかった原因にマスク、手洗い、うがいの徹底が挙げられます。
今年は手足口病と同じく乳幼児がよくかかるRSウイルス感染症が流行している。
やはり新型コロナ対策の影響なのか昨シーズンは流行することがなかった。結果として免疫がない乳幼児が多く、感染者の急増につながったようだ。
昨夏は少なかった手足口病が反動で流行する可能性も否めない。
コメント；
話の流れからは、RSウイルス感染症の大流行は「どんでん返し」です。
感染したウイルスは体内に数週間残る。
排せつ物にも存在するので、感染した子どものおむつ替え後は念入りにせっけんで手を洗おう。
新型コロナワクチンを接種しても密を避け、マスク着用やうがいなどを続けるようにしたい。
参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2021.7.17
