デルタ株に効く? 安全性は? 「新型コロナのmRNAワクチン」
新型コロナウイルスのワクチン接種が日本で始まっておよそ半年が経った。
ワクチン接種がいち早く進んだ70-80代の高齢者における感染者の増加が抑えられているなど、ワクチンの効果も出始めている。
接種に主に使われているのは「mRNAワクチン」という新しい種類のワクチン。
新型コロナの流行からわずか1年ほどで承認されたことなどもあり、安全性に懸念を持つ人も少なくない。
しかし、実はこのワクチンは、ノーベル賞の有力な候補に挙げられるほどの画期的な発見によって実現したもので、20年以上にわたる地道な研究が生んだ成果なのだ。
「mRNAワクチン」の高い効果の理由
新型コロナウイルスが最初に見つかってわずか1年で実用化された「mRNAワクチン」。
臨床試験で確認された発症予防効果はファイザー製で約95%、モデルナ製で約94%と、十分な有効性が認められている。
7月にアメリカのCDC(疾病対策センター)の研究者が発表したデータでは、1週間の10万人あたりの新型コロナウイルス関連の発生人数で見ると、2回接種済みの人は接種していない人に比べて、発症数は8分の1、入院や死亡数は25分の1だったことが示された。
ワクチンはどのような仕組みでこれほど高い効果を生み出しているのだろうか。
それを理解するために知る必要があるのが「mRNA」についてだ。
「メッセンジャーRNA」を略したもので、私たちの体でも普段から使われている。
ヒトの細胞の核の中には体の設計図であるDNAが入っているが、DNAは大切なものなので直接使うことはせず、mRNAにコピーをして使っている。
mRNAは細胞の核の中でDNAの情報をコピーすると、核から出て細胞質内の「リボソーム」にくっつく。
リボソームはいわばタンパク質の製造工場で、設計図であるmRNAの情報を読み取り、生命活動を維持するためのさまざまなタンパク質を作る。
つまり、私たちの体の中にはmRNAから自動的にタンパク質を作り出す機能が備わっているのだ。
参考・引用一部改変
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/86304