「値引き先発薬」制限へ 後発薬の供給増えるか
後発薬の市場が変わりつつある。
従来は先発薬と同じ製法の「オーソライズド・ジェネリック」(AG)という強敵がいて、通常の後発薬メーカーは劣勢だった。
年内の制度変更により、AGの新規参入は減る見通しだ。後発薬の過当競争が和らぎ、供給不安が解消するかに注目が集まる。
・AGの多くは先発薬メーカーの子会社がつくっている。中身は先発薬と同じという安心感に加え、後発薬に区分されるため薬価は安い。
2026年度薬価制度改革により、10月以降に保険適用する新規AGの薬価は先発薬と同額に上がる。
・現行ルールで薬価が決まるのは6月が最後になる。
今のところ申請を公表したAGは月経困難症薬ヤーズと糖尿病薬フォシーガだけだ。
薬事承認を得た他の10以上のAGは保険適用を見送り、お蔵入りになると予想されている。
・そもそも厚労省はなぜAGの薬価を上げるのか。もともとは後発薬普及の先導役だったが、弊害が目立ってきた。
AGの多くは先発薬と同じ製造ラインでつくる実質的な「先発薬の値引き品」だ。これが後発薬メーカーの経営を圧迫し、市場の供給が不安定化する一因となっていた。
コメント;
これらのすべての議論は、「後発薬や先発薬と品質が同等である」ということが大前提です。
この記事の内容からは、ユーザーとしての患者目線が欠けています。
これは厚労省もまったく同様です。
AGがこの世に現れた時、われわれ医療に携わる者は、夢のような話で欣喜雀躍しました。
品質が先発品と同じで薬価が安い。
よくも認可されたという気持ちでした。
さらにいえば、多くの薬剤の原料が中国やインドなどの諸外国に依存しています。
薬価改定の都度、薬価が下げられるため、原料を海外の求めるのも当然かもしれません。
ところで先発品の原料も後発品と同じく輸入品ではないのでしょうか。
このあたりは闇です。
もし、そうだとしたら先発品もそれほどの立派な薬品ともいえなくなります。
・「計画が立てやすくなり、無駄も減らすことができる」。
後発薬大手サワイグルーブホールディングスは2月の決算説明会でAG改革を歓迎した。これまではAGにシアを奪われ、大量廃棄に追い込まれるリスクがあった。
強敵が消えれば生産拡大がしやすくなる。
・後発薬市場のAG問題はかねて指摘されていた。
19年にも改革案が浮上したものの、医療機関の反対で見送った。
厚労省がここにきて見直しに動いた背景は2つある。
・まずはがん治療薬オプジーボなど、高額の大型バイオ医薬品の特許切れがこれから相次ぐことだ。
安い後発薬が出てくれば医療費の節約効果は大きい。
しかしコストも時間もかかるバイオ分野の開発に後発薬メーカーは及び腰だ。
背中を押すにはAGの参入を止めておく必要があった。
・2つ目は後発薬の非効率な生産体制の再編だ。
AGとの過当競争により、後発薬メーカーは多品目を少量ずつ作る生産体制を抜け出せない。
需要増に生産が追いつかず、患者のデメリットも大きくなっていた。
コメント;
少し内容が理解困難です。
・新制度で「サワイや東和薬品など後発薬大手のシェアが拡大する」とみる専門家もいる。
・一方、課題も残る。
1つは後発薬への不信感からAGを選んできた患者への対応だ。
選択肢が消えることで患者の不安が増し、医療現場が混乱する可能性もある。
・AGから他の後発薬にシフトする需要にメーカーが応えられるかも不透明だ。
臨機応変に増産するには、少量多品目生産の解消に複数の企業が取り組むことが各かせない。
*コメント;
今回、降圧剤と抗コレステロール血症剤の合剤でアGのアマルエットが発売中止となりました。数社が発売してきたジェネリックも発売中止の予定となっています。いずれも「諸般の事情により」と発表されています。
AGを「値引き先発薬」と訳すには、いささか抵抗があります。
日経新聞・朝刊 2026.6.7