医療明細書 どう活用?

「医療費明細書」が4月1日より多くの医療機関で発行されるようになりました。
もうすでに受け取られた方もおみえになるのではないでしょうか。
しかし、医療機関側はこのやり方に100%賛成というわけではありません。
この方法にはいろんな問題点を含んでいます。
そのことについてはまた別の機会に話させていただきます。


きょうは先月末に掲載された新聞記事の一部をとりあげてみました。

##医療費明細書どう活用・・・義務化 病院4月・診療所7月から
患者が自分の受けた医療の中身を詳しく知ることができるように、新年度から、新年度から、全国のお医療機関で明細書の無料発行が始まる。
患者側にどのようなメリットがあるのか。
すでに始めている病院を訪ねた。

#検査内訳・薬剤名を明示してあることに利用者は
○「検査の一つひとつにいくらかかっているのかが分かり。なんだか安心する」
 領収書と一緒に保管しておき、前にもらった内容と比べることもあるという。
○「患者に対して責任を持ってみていることの証明、証拠になります。」と評価する。

領収書では内訳として 「初・再診料」「検査」「画像診断」「投薬」の4項目の点数がわかる。
さらに明細書では検査や画像診断の内訳がわかる。
注射や点滴を受けた場合は、使われた薬剤の名称なども明示される。電子請求をしていない医療機関も無料発行が適用される。
明細書があれば自分である程度調べられる。
三者に聞くこともできる。
保管しておけば検査項目が増えたり薬が増えたりしたことがわかる。
国立病院機構西群馬病院では医師が患者ごとに症状や治療の中身を入力し、その情報をレセプトの発行にも活用ができ、明細書機能がついている会計システムを活用している。

#受診内容の理解を助ける
明細書は二万以上の項目があり、レセプト並みの詳しさで記される。
明細書などによる患者への情報提供は、薬害被害者らが20年近く前から求めてきた。
中医協委員の勝村氏は「今回の改定で、真の意味で医療の情報開示がスタートする。
明細書を出すことで患者が自分の受けた医療の内容や単価を知る土壌ができ、不正請求や医療事故など被害の防止につながる。」と話す。

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出典 朝日新聞・朝刊 2010.3.26(一部のみ)
版権 朝日新聞社




<関連サイト>
#診療明細書 医療内容知る手掛かりに
■四月から、大半の病院に対し、診療の内容が詳しく分かる診療明細書を原則、すべての患者に無料で発行するよう義務づける。
患者にとって、受けた医療の中身を知る重要な手がかりになるが、専門的で使いこなすのは困難との声もある。明細書をどう生かせばいいのだろうか。 
■診療明細書の内容は、より詳しい。
例えば「検査」では、「血液学的検査判断料」「B-V」「生化学的検査」…といった細かい内容が記され、それぞれいくらかかったか分かる。
■四百床以上の大規模病院では既に、希望者への明細書発行が義務付けられている。
二〇〇九年の厚生労働省の調査では、病院の半数、診療所の三割が希望者か全患者に明細書を出している。
無料が多いが、数百~数千円の発行費を請求するケースもある。
■四月からは、ほとんどの病院で、患者が「要らない」と言わない限り、診療明細書を無料で出す。
七月には、常勤医の高齢を理由に電子請求が義務づけられていない診療所を除き、約半数の診療所などにも無料発行が義務づけられる。
ただ、明細書の発行機能のない機械や、発行のため改修が必要な自動精算機を使っている場合は当面、発行が免除される。
     ◇
■全患者への発行義務化は、薬害エイズや薬害肝炎などの患者団体が、「医療を透明化するため」として強く求めてきた。
医療事故情報センター(名古屋市)の松山健弁護士は「医療事故があったときなどに、医療の中身を知る重要な手掛かりになる」とした上で、「医療費の不正請求や請求ミスに気付く可能性も高まる」と指摘する。
■しかし、診療報酬の体系は複雑で、患者が明細書を読みこなし、十分に活用するのは難しい。
■例えば、八種類の薬が処方されたのに、七種類未満の処方せん料が請求されているケース。
一見すると、請求ミスのようだが、一概にミスとは言えない。
一日あたりの価格が二百五円以下の薬は、何種類出されても、ひとくくりにして「一種類」と数えるルールになっているからだ。
厚労相が定めた病気に対し、医師が治療計画を立てて患者に必要な指導を行った際に得る「医学管理料」の中には、大規模病院では算定されないが、規模の小さい病院や診療所では算定されるものもある。よほど深い知識がないと、明細書の内容が妥当かどうか、判断は難しそうだ。
■患者の医療費などの相談に乗るある専門家も「医療費の個別の項目の請求について判断するのは、診療報酬の構造が分かっていないと無理。請求ミスがあっても、気付くのは至難の業」と話す。
■それでも、義務化は「意味がある」という。
「患者が医療の内容や医療制度に関心を持つきっかけになる。見て、疑問に感じたことは聞けばいい。それで理解が深まる」と指摘。
「それには、気軽に質問できる態勢づくりが必要」と話している。
医療関係者からは「患者の質問が医療機関に殺到し、業務に支障が出るのでは」との懸念も聞かれている。
出典 東京新聞 2010.2.25(一部改変)
版権 東京新聞社



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