乳がん「浸潤」を解明

北大、乳がん「浸潤」を解明 特定たんぱく質、低酸素下で活性化
北海道大学の佐辺壽孝教授と橋本茂准教授らは、乳がんの細胞が周りの組織に広がっていく仕組みの一端を解明した。
酸素濃度の減少などをきっかけに、特定のたんぱく質の働きによってがん細胞が周辺組織に移動しやすい能力を持つようになる。
たんぱく質の働きを抑えられれば、乳がんの悪化を食い止められる可能性がある。

佐辺教授らは、がんの組織では血管が正しく形成されず酸素濃度が下がることに着目し、乳がんの細胞を低酸素の条件で培養した。
この条件下では細胞どうしの接着などにかかわるたんぱく質「Arf6」が活性化し、がん細胞が移動能力を高めて周りの組織に広がる「浸潤」現象が起きやすくなっていた。
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2010092604017h1
[2010年9月27日/日経産業新聞]