前立腺がんのロボット手術 保険適応に

中央社会保険医療協議会総会(会長:森田朗東京大学大学院法学政治学研究科教授)が1月30日に開催され、内視鏡下手術用ロボット、「ダ・ビンチ」を用いた前立腺悪性腫瘍手術が、2012年度診療報酬改定で保険適用されることが決定した。


「ダ・ビンチ」の適用は拡大しており、前立腺悪性腫瘍手術以外にも、ダ・ビンチによる手術が高度医療の形で実施されているが、その中で前立腺悪性腫瘍に限って保険適用されるのは、有効性・安全性が確認されたため。
ただし、それ以外に手術について、「有効性がないわけではなく、今後、確認されれば、保険適用されることになる」(厚労省保険局医療課企画官の迫井正深氏)。

ダ・ビンチを用いた「根治的前立腺全摘出術における内視鏡下手術用ロボット支援」が高度医療として認められたのは、2009年1月1日。
2010年7月1日から1年間の実績を見ると、全国で176件実施され、高度医療の総額は、1億2481万2500円。
1件当たり平均約71万円。
点数は未定だが、これを参考に設定される。
2012年1月1日現在で高度医療の形で実施しているのは、東京医科大学病院(東京)、長久保病院(東京)、岡山大学病院(岡山)、鳥取大学医学部附属病院(鳥取)、藤田保健衛生大学病院(愛知)の5施設。

http://www.m3.com/iryoIshin/article/147788/?portalId=iryoIshin&pageFrom=openIryoIshin

<追加>
朝日新聞・朝刊 2011.1.31より
前立腺の周囲は血管などが集まり、がんの摘出は出血に注意が必要。
■細かな動きが可能なため、これまでの腹腔鏡手術より出血量が少なく、入院日数も節約でき、治療効果が期待できるという。
■国内では現在、32病院が導入。昨年は約700人の前立腺がん患者の手術に使われた。
■先進医療に指定された5病院以外では保険は適応されず、自己負担は100万以上になる。