慢性骨髄性白血病、いまは9割が長期生存

慢性骨髄性白血病、いまは9割が長期生存

慢性骨髄性白血病」は、かつては骨髄移植をしなければ治癒が望めず、死に至る病気だったたが、BCR-ABLという原因遺伝子が発見され、それを抑える分子標的薬が2001年に日本でも発売されて治療法が一変した。
現在は、より効果的な改良型の薬も開発され、90%以上の患者さんが長期生存できるようになった。
期待する効果を出すには薬を飲み忘れないことが重要だ。
 
「真性多血症」は赤血球が増えて血が濃くなる病気、「本態性血小板血症」は血小板が増加する病気だ。
これらの病気自体が命にかかわることは少なく、一番問題となるのは脳梗塞心筋梗塞を起こしやすいことだ。
そのため、増えている血液細胞を減らす弱い抗がん剤治療やしゃ血(血を抜くこと)、血をさらさらにする治療(抗血小板療法)を行う。
薬で病気の治癒はできないが、合併症を予防することで健康な人と変わらない生活を送ることができる。
最近、新しい薬が日本でも発売され以前より良くコントロールできるようになった。
 
原発性骨髄線維症」は血液細胞が作られている骨髄が繊維に置き換わってしまう病気だ。
脾臓や肝臓が腫れることによる腹部膨満感、発熱、寝汗、体重減少、かゆみ、疲れやすいなどの症状がみられる。
真性多血症や本態性血小板血症に比べ急性白血病に移行する例が多く長期生存率は低くなる。
長く有効な薬がなかったが、最近発売になった新薬で症状の改善ができるようになった。
しかし、薬で病気の治癒はできず、条件がそろった患者さんには骨髄移植(同種造血幹細胞移植)が行われる。

参考・引用一部改変
朝日新聞 2017.3.11