インフルエンザ対策は

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坂口紀良 油彩8号『果物の静物
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予防栄養学研究者の家森幸男先生の新聞に掲載されたリレーエッセイからの
紹介です。


「朝食は何時に食べましたか」と聞くと、答えは一時とか二時。深夜に朝食
をするのかと思った。
現在健診を続けているタンザニアビクトリア湖畔での話。

実はここでは太陽が昇る夜明けと共に一日が始まる。
日本の朝七時がこの朝一時、曰が沈むのが一日の終わりの十二時
(日本の夕方六時)。
そして日本の夜七時は夜が始まる一時だ。
太陽の動きに従順な時計に従って人々が暮らしている。
曰本も江戸時代まではそうだった。
この地の人々の、曰が昇ると共に一日がスタートするという考え方は実に
自然である。

文明社会では真夜中の十二時に一日が終わる。
太陽の動きを全く無視したこの習慣こそが、今や世界中で生活習慣病
増やす原因ともいえる。
日本では一日が終わる真夜中まで起きている子供が増えてきた。
夜が遅いので朝は遅く朝食ぬき、甘い飲み物や間食で空腹を満たし、テレビか
ゲームか塾という生活では、肥満や痩(や)せ過ぎが増え、将来生活習慣病
益々増える。
いったん鳥インフルエンザでも流行れば、抵抗力がなくどんどん斃(たお)
れるのではないか。
私どもの関西の一都市での小学校一―三年生の一万六千人の調査でも、朝食ぬき、
好き嫌いが多く、野菜、魚、大豆の嫌いな子供は、風邪やインフルエンザに
かかりやすいことがわかってきた。

昔からの「早寝、早起き、朝ごはん」の習慣が健康な子供を育て、生活習慣病
少ない国づくりには大切。太陽の動きにあわせて寝起きし、野菜、魚など自然の
恵みをいただいて平和に暮らすビクトリア湖畔の人たちに学んで、日本人の
暮らしも”太陽時間”に改めてみてはどうだろう。
それが最も基本的なインフルエンザ対策かも。

日経新聞・夕刊 「あすへの話題」 2008.1.19
版権 日経新聞

<コメント>
食生活とインフルエンザ予防。
食育の観点からの感染症を未然に防ぐ考え方。
勉強になりました。
電気の発明以前は、どんな暮らしだったのだろうかと昔の人の暮らしぶりをつい
想像してしまいます。
昔は明るいうちは起きて暗くなったら寝る。
当然といえば当然ですが、今はそれが当たり前ではありません。
睡眠時間も短くなっているはずです。
いいことなのか悪いことなのか。
悲しいことに電気のありがたみは停電になってみて思い出す程度になってしまって
います。
この電気も地球環境に多いに関係していることも忘れてしまいそうです。

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