脂肪肝防ぐタンパク質 名大など発見

メタボ予防、治療に期待
血糖値の上昇を抑え脂肪肝になるのを防ぐ働きのあるタンパク質を、米ボストン大の大内乗有助教や、名古屋大大学院医学系研究科の柴田玲特任講師らのグループがマウスを使った実験で突き止め、米科学誌「サイエンス」電子版に17日発表した。メタボリック症候群の予防や治療薬の開発につながることが期待されるという。

柴田講師によると、グループが発見したのは脂肪細胞から作られる「Sfrp5」という善玉タンパク質。
このタンパク質が作れないようにしたマウスに高カロリー食を与えると、脂肪組織の炎症がひどくなり、通常のマウスに比べ肝臓に蓄積される脂肪や血糖値が2倍に上昇した。
脂肪細胞に炎症が起きると肥満につながるという。

逆に、太って糖尿病を患うマウスに、このタンパク質を与えると、肥満の原因となる炎症はほぼなくなった。
その結果、このタンパク質に炎症を抑える効果があり、肥満と深く関係していることが分かった。

出典 中日新聞・朝刊 2010.6.18
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