毎日6時間のテレビ視聴で平均余命が5年短縮

クイーンズランド大学(オーストラリア・ブリスベーン)公衆衛生学部のJ. Lennert Veerman博士らは,1日に平均6時間テレビを見る人では,見ない人と比べて平均余命が約5年間短縮する可能性があるとBritish Journal of Sports Medicine(2011; オンライン版)に発表した。

1時間の視聴で22分短縮
過度の運動不足ではなくても,坐位中心の生活が心筋梗塞脳卒中による死亡リスクの増加と関連することは知られている。
しかし,通常,坐位の姿勢で行われることの多いテレビ視聴の平均余命に対する影響に関しては検討されていなかった。

Veerman博士らは今回,2008年のオーストラリア統計局の人口および死亡データとオーストラリア糖尿病・肥満・ライフスタイル研究(AusDiab)のデータを用い,25歳超のオーストラリア人のテレビ視聴時間と平均余命との関連について検討した。

その結果,2008年の25歳超のオーストラリア人の総視聴時間は98億時間であった。
これは,生存年数28万6,000年の喪失に相当すると推定された。テレビを視聴しない場合,出生時平均余命が男性で1.8年,女性で1.5年長くなることが分かった。
また,25歳超の成人がテレビを1時間見ると,平均余命は22分弱短縮する可能性が示された。
さらに,テレビを1日平均6時間視聴する人は,見ない人に比べ,平均余命が4.8年短くなると推定された。

同博士らは「今後,これらの数値が因果関係を反映していることが確認されれば,テレビ視聴は確立された行動危険因子と同等の公衆衛生上の問題と見なすことができる」と述べている。

出典 Medical Tribune 2011.10.13
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