カドミウム濃度大幅減、強い「コメ」開発

コシヒカリカドミウム濃度大幅減、強い「コメ」開発 土壌での吸収を抑制−−茨城・つくばの研究所
土壌中のカドミウムをほとんど取り込まないコシヒカリを、農業環境技術研究所茨城県つくば市)などの研究チームが作った。
栽培実験では、玄米中のカドミウム濃度は同じ条件で育てた通常のコシヒカリの30分の1以下で、国の基準を大きく下回った。
食味や収量は変わらず、この手法を他品種にも適用できるという。

チームは約3000粒のコシヒカリ種子に炭素イオンビームを照射して突然変異を起こさせ、カドミウム濃度が高めの水田で栽培。
この中から玄米中のカドミウム濃度が極めて低い株を見つけた。
土壌中のカドミウムは根から吸収・蓄積されるが、この株は吸収を担う遺伝子が突然変異によって失われていた。

さらにこの株の種子をカドミウム濃度が高めで土質が異なる水田3カ所で作付けした。
収穫した玄米のカドミウム濃度は、砂質の水田では1キログラム当たり0・03ミリグラム(0・03ppm)と、同じ水田で育てた通常のコシヒカリ(0・97ppm)の約30分の1で、国の基準(0・4ppm以下)を大きく下回った。【安味伸一】

出典  毎日新聞 2012.3.8
版権  毎日新聞社
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