健康寿命、厚労省が初算出

男70・42歳、女73・62歳 健康寿命厚労省が初算出 「延ばす」目標に
介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる期間を示す「健康寿命」を厚生労働省が初めて算出、2010年は男性70・42歳(10年の平均寿命79・55歳)、女性73・62歳(同86・30歳)になったとする結果を1日、専門家でつくる厚生科学審議会の部会で示した。

健康寿命世界保健機関(WHO)が00年に打ち出した概念。社会の高齢化が加速する中、厚労省は「健康に長生きすること」を重視し、13〜22年度の国民の健康づくり計画案に「健康寿命を延ばす」とする目標を盛り込む。計画は6月中旬にも部会で正式決定される見通し。

都道府県別で健康寿命が最も長いのは、男性が愛知県で71・74歳、女性が静岡県で75・32歳。最も短いのは男性が青森県で68・95歳、女性が滋賀県で72・37歳。格差は男性2・79歳、女性2・95歳で、計画では都道府県間の格差縮小も目指す。

健康寿命を具体的にどれだけ延ばすかは計画に明記しないが、10〜22年の平均寿命の延び幅を、健康寿命の延び幅が上回ることを目標にする。厚労省は22年の平均寿命を男性81・15歳(延び幅1・6歳)、女性87・87歳(同1・57歳)と推計している。

健康寿命の目標実現のため、がんや脳卒中、心臓病など生活習慣病の死亡率低減に向けた数値目標や、成人の喫煙率を10年の19・5%から、22年度までに12%に下げることも盛り込む。

国民の健康増進が進めば、医療・介護関連の予算の抑制につながる。厚労省は00年に国民の健康づくり計画「健康日本21」を策定。今回策定するのは、これに次ぐ計画となる。

健康寿命
一生のうち、介護が必要だったり、日常生活に支障が出るほどの病気にかかったりする期間を除き、健康に日常生活を送れる期間を示す。
単に寿命を延ばすのではなく、生活の質を重視する考え方に基づき、世界保健機関(WHO)が2000年に提唱した。
厚生労働省は今回、世帯ごとの所得、家族の健康状況などを調べる「国民生活基礎調査」や、日本人の平均寿命のデータなどを基に算出した。

http://www.m3.com/news/GENERAL/2012/06/01/153766/?portalId=mailmag&mmp=MD120601&mc.l=1057640