ジカウイルス、脳組織の成長を妨害

ジカウイルス、脳組織の成長を妨害 ブラジルの研究グループ発表
中南米で流行するジカウイルスの感染が脳組織の成長を妨げることを、ブラジルの研究グループがiPS細胞を使った実験で確かめた。
 
ブラジルでは、ジカウイルスに感染した妊婦から、脳の発育不全で頭が極端に小さい小頭症の子が生まれるケースが多数報告されている。
研究グループは「ジカウイルス感染と小頭症の増加の関連をより強める結果」としている。
科学誌サイエンス(電子版)に(2016年4月)11日発表された論文によると、研究グループは、ヒトのiPS細胞から脳の組織を作り、ジカウイルスに感染させ、成長にどのような影響が出るかを調べた。
ウイルス感染から11日後では、感染させなかった脳の組織に比べて大きさが40%小さかった。
 
一方、ジカウイルスと同じフラビウイルス科に分類されるデング熱のウイルスでも同じような実験をしたが、脳の組織は小さくならなかった。
脳組織の成長を妨げる影響について「フラビウイルス科に一般的な特徴ではない」とした。
さらに、ヒトのiPS細胞から作った脳の神経幹細胞にジカウイルスを感染させると、6日後にはほとんどの神経幹細胞が死滅することも確かめた。

出典
朝日新聞・朝刊 2016.4.12