コレステロールが高い状態を放っておくと動脈硬化のリスクになる。
コロナで重症化した人には持病がある人も多く、予防は大切そうだ。
コレステロールには善玉(HDL)と悪玉(LDL)があり、LDLが高いと高脂血症につながる。
LDLの正常は140未満だ。
日本人のコレステロールが比較的低いとされたのはもう何十年も前の話。
食生活の欧米化が進み、2000年ごろには米国とほぼ変わらなくなったという報告もある。
高コレステロールというと、太っている人や高齢者を思い浮かべるかもしれないが、必ずしもそうじゃない。
原因は、食事をはじめとする生活習慣だけでなく、家系や体質の影響があるとも言う。
30代前半のある男性は薬でコレステロールを管理している。
標準体形で外食は控えめ。
定期的にジムで体を鍛えているのに・・・。
だが、そういう人は少なくない。
小さいころからコレステロールが高めで、食事などにいくら気をつけても落ちづらい。
コメント;
つまり中性脂肪と違って高コレステロール血症は意外と体型に関係がない。
高中性脂肪血症の人の多くが肥満体で、減量による数値の改善が期待出来るのに対して運動、節食の効果が現れにくい。
遺伝性の病気もある。家族性高コレステロール血症だ。
患者のLDLは子どものときから平均230ほど。
生活習慣や体形には問題ない人が多い。
原因遺伝子を親から受け継いでいる人は500人に1人と推定される。
生活習慣病というと、生活習慣を変えれば何とかなると思う人もいるがそうではない。
体質的にLDLが高ければ、生活改善で下がる可能性は低い。
では、どうすればいいのか。
第1選択となる薬はスタチンだ。
体内でのコレステロールの合成を抑えることで、血液中のコレステロールを減らす働きがある。
ただ、薬剤は中高年の人がのむというイメージがあり、30代から予防的にのむのには抵抗感を持つ人も多い。
一般的には40代でのみ始める人が多いが、20代や30代でのむ人もたくさんいる。
若いうちに高脂血症を指摘され、早めの治療を始めている人が少なくない。
のみ始めると、効果はすぐに表れる。
1カ月後の血液検査でLDL値が見事に低くなる。
ただし、副作用として注意したいのがクレアチンキナーゼの値だ。
ふくらはぎなどに痛みが目立ったり、脱力感があったりした場合は医師との相談
が必要だ。
コメント;
クレアチンキナーゼ(CK)が正常の値でも「こむら返り」などの筋肉系の副作用が出ることがあります。
だからといってすぐに中止するのではなく、他のスタチンに変更することによって症状が軽減することがあります。
出来れば長く服用すべき薬剤なので担当と十分相談して服用すを続ける姿勢も必要です。
体質で高いとなると、薬をやめるのは難しいかもしれない。
一方、大人になって高くなった人は食事などを改善することで薬をやめることができる可能性もある。
LDLが140~160は赤信号。
健診で指摘されたら、一度医療機関を受診したい。
コメント;
「内科にかかればいいだろう」と思いつく方は多いと思いますが、出来れば内科の中でも循環器専門医への受診をお勧めします。
高脂血症の結果として起こる、冠動脈疾患を始めとする動脈硬化への造詣が深く、高血圧や糖尿病などの生活習慣病についてしっかり勉強している先生が多いためです。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2020.10.3
<関連サイト>
気をつけようコレステロール