ウイルスの変異とは? コピーミス原因/頻度、15日ごと
ウイルスは自力で増えることができないため、ヒトなどの細胞の中に入り込み自らを複製(コピー)して増殖する。
新型コロナウイルスはRNA(リボ核酸)という遺伝情報を持ち、この遺伝情報をコピーする際にミスがあると変異が起きる。
新型コロナは平均15日で変異を繰り返す。
英国や南アフリカで見つかった変異は、ウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質と呼ばれる突起が複数箇所で変化している。
スパイクはヒトの細胞表面にあるたんぱく質にくっついて細胞の内部に入り込む。
変異によって感染力が増したり、重症になるリスクが高まったりする場合がある。
今のところ、新型コロナウイルスの変異は小さく、表面にあるたんぱく質の種類から「H1N1」や「H5N1」といった亜型(ウイルスの分類の一つ)を持つインフルエンザ
ウイルスほど多様ではない。
ただ今後、新型コロナで変異がさらに進めば、既存のワクチンや抗ウイルス薬が効かない変異種が出現する恐れもある。
参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2021.1.28
<関連サイト>
新型コロナの「逃避変異」とは 国内外で確認相次ぎWHOも懸念
ヒトが獲得した免疫が効きにくくなる「逃避変異」とみられる変異を持つ新型コロナウイルスが、国内外で相次いで確認されている。
国立感染症研究所は「国内でのまん延は、中長期的に感染制御上のリスクとなりうる」としているが、現段階でワクチンの効果を無効にするものではないという。
この変異は、感染力が強くなるとされる英国由来のウイルス株とは異なる。
2週間に1回程度のペースで変異
ウイルスの変異とは、増殖する過程で遺伝情報が変化することだ。
流行の程度に左右されるが、新型コロナの場合、平均して2週間に1回程度のペースで変異しているとされる。
ウイルスの性質が大きく変わることはまれだが、変異によって作られるたんぱく質を構成するアミノ酸が変われば性質が変わる場合がある。
参考・引用一部改変
毎日新聞 2021.3.
<関連サイト>
日本における感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルスの新規変異株症例について(2021年2月26日時点)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10221-covid19-37.html
感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株について (第7報)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10220-covid19-36.html
発症からの感染可能期間と再陽性症例における感染性・二次感染リスクに関するエビデンスのまとめ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/10174-covid19-37.html
感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新規変異株
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/covid19-36-20210308-tbl.pdf
焦点:楽観砕いたコロナ変異種、免疫仮説の抜本修正必要に
https://jp.reuters.com/article/covid-variant-idJPKCN2AX06J