血管年齢を知ろう!

「人間は血管とともに老いる」とか「血管が若ければ160歳まで生きられる?」ともいわれるほど血管は人間の寿命ととても密接な関係があります。
血管の老化がいわゆる動脈硬化です。
加齢に伴って血管が変化するのです。
その変化にはコレステロールがたまって血液の通り道(内腔)が狭くなったり、血管壁の弾力性が失われて硬くなったりするのです。
この動脈硬化は死因の1/3(脳血管疾患、心筋梗塞)に関係し、65歳以上の介護の必要となる原因の1/4(脳血管疾患)を占めているといわれます。
動脈硬化は加齢に伴い誰にでも起こりうるものです。
このことは何人たりとも避けて通れません。
しかし、その進展には個人差が大きく、食生活や運動不足が大きく影響します。
現在の自分自身の動脈硬化の程度を知るのと同時にその変化を把握するために半年から1年に1度血管年齢測定を行うことをお勧めします。


##検査でわかる動脈硬化
自覚症状がないことから「沈黙の殺人者」と呼ばれる動脈硬化ですが、簡単に発見できる方法があります。
それが「CAVI(キャビィ)検査」です。

この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。
時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。
結果もすぐに出るので、その場で医師からの診断が受けられます。

この検査では、つぎの3つを測定します。
1.動脈の硬さ
2.動脈の詰まり
3.血管年齢

1.動脈の硬さ
動脈のかたさを表すのが「CAVI」です。
動脈は血液を全身に送るポンプの役目を果たしていますが、ポンプの内側の圧力(血圧)が変化したときのふくらみ具合をみることによって、ポンプのしなやかさ、つまり動脈のかたさがわかるというものです。
動脈硬化が進んでいるほど、「CAVI」の値は高くなり、9.0を超えると約半数が脳動脈か心臓の動脈である冠動脈に動脈硬化を発症しているという研究結果もあります。

2.動脈の詰まり
足の動脈の詰まりを表すのが「ABI(エービーアイ)」です。
足首の血圧を横になった状態で測定すると、健康な人では腕の血圧と同じくらい、あるいは少し高い値となります。
しかし足の動脈が詰まっていると、腕の血圧に比べて足首の血圧は低くなります。
そのため「腕の血圧」と「足首の血圧」の比をみて足の動脈の詰まりを診断するというもので、その値が0.9未満であると詰まっている可能性が高く、その値が低いほど重症になります。

3.血管年齢
同じ性別、同年齢の健康な方の「CAVI」平均値と比べることで、「血管年齢」がわかります。
「CAVI」が9.0未満であっても「血管年齢」の高い方は動脈硬化の進行が早いと考えられます。

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その他の動脈硬化の検査には、次のようなものがあります。

血圧測定、血液検査
動脈硬化生活習慣病が大きな要因です。
高血圧、高脂血症、糖尿病などの危険因子がないかを検査します。

超音波検査(頸動脈エコー検査)
簡便かつ視覚的に血管の状態を捉えることができる検査です。
脳梗塞の予測検査として有用とされています。

その他
眼底カメラ
血管撮影
CT検査


<参考および引用サイト>
検査でわかる動脈硬化
http://www.domyaku.net/arteriosc04.html#cavi01

動脈硬化検査(CAVI検査)ができる医療機関
http://www.domyaku.net/search/index.html
(当院もこれらの医療機関の中のひとつとして載っています)



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これは当院の症例です。
検査するごとに血管年齢が若くなっているのが分かります。



<関連サイト>
血管年齢」動脈硬化の目安に 40歳過ぎたら定期検査
http://sankei.jp.msn.com/life/body/071017/bdy0710170810000-n1.htm
■心臓病や脳卒中の原因となる動脈硬化
血管の老化現象ともいえるが、当初は自覚症状もなくひそかに進行するだけに、自分の「血管年齢」を知って若く保つことが大切だ。
専門家は「40歳を超えたら1年に1度は血管年齢の検査を受けて健康管理に役立ててほしい」と呼びかけている。