歯と口のケア

個人的な話で恐縮ですが、今までの人生で最大の歯痛で苦しんでいます。
以前、奥歯の抜歯を余儀なくされた時の痛みに似ていて、歯自体もグラグラしています。
どうやら抜歯を迫られそうで憂鬱です。
こんな時にこそ「人生の秋」を感じます。

毎日4回歯磨きをしていました。
歯の磨き方が悪かったのでしょうか。

思い当たるとすれば、ひところアイスクリームをデザートに食べ続けたことがありました。

きょうは「歯の健康」を取り上げてみました。
昨年暮れの新聞ネタです。


#歯と口のケア 飲食や呼吸法にも注意
虫歯が痛くなったら駆け込んで、当座の治療が終わったら、しばらくサヨウナラ。  
歯医者さんはそんな存在、という人もいるのでは。  
しかし、その認識は大きな間違い。 
歯の健康維持に第一線で携わる歯科衛生士の土屋和子さんに、歯と口の手入れのポイントを教えていただきました。

***

歯科衛生士の仕事は、虫歯や歯周病など歯の病気予防やケアのため、歯石除去から生活指導まで多岐にわたる。   
土屋さんはキャリア30年以上。  
土屋さんが周2回勤務する東京都世田谷区の歯科医院で、私自身(記者)の歯の手入れ状況を見てもらった。

2年前、近所の歯科で唾液検査をしたら、細菌が多く、『高リスクの歯』と警告された。  
親知らずを抜き、懸案の虫歯の治療が済むと、気合を入れて歯磨きをするかしないかはその日の気分任せになっていた。   
「ウーン」。 
X線写真を見て、口の中を覗き込むなり、土屋さんの表情が険しくなった。

歯と歯の間や歯の付け根に相当の磨き残しがある様子。 
「食べ物のゴミが3日間歯に残ってしまうと、歯石化しやすくなります。プロでも1回ではなかなか取り除けません」と注意された。  
「歯ブラシの使い方が悪いですね。 奥歯のほお側は、口を閉じないとうまく磨けないんですよ」

土屋さんによれば、歯磨きだけでは問題は解決しない。  
飲食の仕方や呼吸法など、日々の生活習慣も、歯の健康に大きくかかわる。  
口の中の水素イオン濃度(PH)と唾液の巡りがポイントだ。   
食べ物を口に含むと、食べ物や細菌の働きで、ふだんは中性(PH7程度)の口の中が一時的に酸性(PH4~5程度)になり、歯の表面のエナメル質が溶け出して虫歯になりやすくなる。  
しばらく飲まず食わずだと中性に戻るが、この時間が十分にないと、歯は常に酸性リスクの高い状態にさらされる。 

***

食後のコーヒーも、砂糖やミルクを入れるか、入れないか、一気に飲み干すか、少しずつ時間をかけて飲むかでリスクが違う。  
幼い頃、アレルギー性鼻炎と診断された私は、体調を崩すと鼻風邪を引きずり、ついつい口呼吸になりがち。

これも、口の中を湿った状態に保てず、歯と歯茎、粘膜によくない。  
口の中の粘膜の洗浄や抗菌作用という役割がある唾液が、口の中を巡ることができず、雑菌が繁殖しやすくなるという。   
土屋さんによるチェックは散々な結果に終わり、めげる。

でも、日本歯科医師会によれば、沖縄の40才以上の住民約5千人の調査では、特に男性で、健康な歯が多いほど寿命が長かったというから、歯と口の健康を取り戻すために心を入れ替えよう。

土屋さんから、歯磨きの前後に舌で歯の汚れを確認したり、ほおの裏側を舌で刺激したりして、唾液の出を良くしたりするように助言された。  
忙しい人の歯間掃除は、歯間掃除用の細い糸(デンタルフロス)より、歯と一緒に歯間を磨ける超極細毛の歯ブラシがいいと勧めてもいただいた。


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出典 朝日新聞・朝刊 2009.12.5
版権 朝日新聞社



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