善玉コレステロールあれこれ 2010.9.27

コレステロールは細胞膜、ホルモンなどの材料となるために、肝臓から体の各部へ、各部から肝臓へと行ったり来たりしています。
しかし、これらのコレステロールの中でもHDLコレステロールは特別な働きをしています。
余分なコレステロールを血管壁から抜き取って肝臓に戻しています。
つまり、動脈硬化促進とは逆の働きをしています。

HDLは、余分になって末しょう臓器の細胞の表面に表れたコレステロールを取り込んで、肝臓へ運ぶリポタンパクです。(HDLのLはリポ蛋白の略です)

HDLの値が低くなりすぎると虚血性心疾患や脳こうそくなどの発生率が上がることが分かっています。
そのためにHDLコレステロールは「善玉」と呼ばれるのです。
HDLコレステロールの値の正常域は40mg/dl以上です。


さて、今までHDLコレステロールすなわち善玉コレステロールを積極に上昇させる薬剤はありませんでした。
最近、この方面の新薬開発に光が見えるニュースがありました。


善玉コレステロール量の調整…京大などメカニズム解明

#動脈硬化予防に期待
体内で善玉コレステロール(HDL)の量が調整されるメカニズムの一端を、京都大、神戸市立医療センターなどのチームが解明した。
動脈硬化の危険性を減らす治療につながる成果で、21日の米科学アカデミー紀要電子版に発表する。

京大の尾野亘講師らは、コレステロール代謝を制御するたんぱく質が増えると一緒に増え、遺伝子の働きを調節している「miR―33a」という分子に着目。
この物質を作れないように遺伝子操作したマウスでは、血中のHDLが雄で22%、雌で39%増えたことから、この物質はHDLが作られるのを邪魔する働きがあると推察された。

人の細胞で調べると、この物質は、細胞の中にあるコレステロールが外へ出て行くのを妨げ細胞外でHDLが合成されるのを抑えることがわかった。

尾野講師は「この物質の働きを抑える薬剤を開発すれば、HDLが増えると期待できる。悪玉コレステロールを下げる治療薬と同時に使えば効果的だ」と話す。

出典 読売新聞 2010.9.21
版権 読売新聞社



<自遊時間>
世の中、写真に関しては完全にデジタルとなって来ています。
私も最近までフィルム式にこだわって来ましたが、ブログをやっている都合もありデジタルカメラ(コンパクトデジタルカメラすなわちコンデジ)を愛用しています。
性能の向上も目をみはるばかりです。
マクロ機能(接写)で1センチまで近づくことが出来て新聞の切り抜きも不要になりました。

さて、新聞広告にコンデジとデジタル一眼(デジイチ)との中間のカメラがあることを最近知り興味を持っていました。
レンズ交換をしないくていい(できない)ネオ一眼です。

たまたまネットで見ていたら信じられない安さ(コンデジより安い)で紹介されていました。
早速飛びついてしました。

望遠(ズーム)機能はもちろんですが、いろいろな加工が出来ます。
これからはブログでも写真を取り上げたいと思いますが、取り扱いの習熟にはしばらく時間がかかりそうです。



<きょうの一曲> Misty
Julie London-Misty
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