原因不明の食中毒、ヒラメと馬刺し?

この度の東北地方太平洋沖地震により被災されました方々に、心よりお見舞い申し上げます。
犠牲になられた方々、そしてご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。
また、福島第一原発事案(事故)で避難中の方々、そして計画停電中の首都圏の方々にお見舞い申し上げます。
また、被災者支援や原発復旧作業などの災害対策に全力を尽くされている皆様に敬意を表します。


原因不明の食中毒、ヒラメと馬刺し原因か 寄生虫特定

原因不明の食中毒が全国的に増えており、25日に開かれた厚生労働省の審議会で、ヒラメや馬肉についている寄生虫が原因の可能性が高いことが報告された。
どちらも吐き気や下痢を引き起こすが、数日で症状は治まるという。

ヒラメによる食中毒の原因と疑われるのは、クドアと呼ばれる寄生虫の一種「セプテンプンクタータ」。
クドアの存在は知られていたが、食中毒を起こす種類が確認されたのは初めて。
馬刺しについては、馬や犬に宿る寄生虫の可能性があるという。

厚労省によると、クドアはマイナス15~20度で4時間以上、馬刺しの寄生虫はマイナス20度で48時間以上、それぞれ冷凍すれば死滅するという。

原因不明の食中毒は2009年6月から今年3月までに198件が報告され、このうちヒラメが135件、馬刺しが33件含まれていた。                              (北林晃治)

出典 asahi.com 2011.4.25
版権 朝日新聞社

<私的コメント>
当院にも1年を通して、腹痛、発熱、下痢の患者さんが時々来院されます。
中には、他の医療機関にかかって「胃腸かぜ」と診断されたけど治らないという方もみえます。
そういった方には、当院では白血球を院内で検査します。
多くの方特に大人の場合は、「胃腸かぜ」というウイルス疾患よりも「細菌感染による食中毒」の方が多いのです。
冬場はウイルス疾患の場合でも「胃腸かぜ」を疑う前に、「カキによる食中毒」を疑います。
「胃腸かぜ」も「カキによる食中毒」も同じノロウイルスによることが多く治療は変わりません。
しかし、「胃腸かぜ」と「細菌感染による食中毒」では治療や療養指導が異なります。

今回の内容は、原因不明の食中毒の原因が寄生虫というお話です。
「数日で症状が治まる」というのもちょっと不思議といえば不思議です。
おそらく一般医療機関では診断がつかないと思いました。

他のソースから。
■養殖ヒラメから「クドア・セプテンプンクタータ」(前述)、馬肉からは「ザルコシスティス・フェアリー」という寄生虫が発見された。
■いずれも一定時間冷凍すれば毒性がなくなることが分かっており、刺し身にする場合は冷凍後に食用とすることが有効とみられる。
ただ、ヒラメは冷凍処理により商品価値が低くなることも考えられるため、部会では養殖段階で寄生虫に汚染された稚魚を排除するなどの対策が必要と指摘された。




<関連サイト>
クドアのシスト?
http://masayama.blog40.fc2.com/blog-entry-757.html
(生々しい写真入りです)

魚類の相談事例
http://www.pref.aichi.jp/shokuhinkensa/soudan/suisanbutu/sakana.html
(このサイトの写真をみると魚が食べれなくなりそうです)




<きょうの一曲> 年下の男の子
キャンディーズ 年下の男の子
http://www.youtube.com/watch?v=Y7NnHnkZp-Y






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