中性脂肪を下げたい

中性脂肪を下げたい 脂質、糖質どちらを減らすべき?

同じ「脂質異常症」でも、タイプによって戦略は異なる
健康診断の血液検査で、「脂質」に関する項目としてよく目にするのが「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」「中性脂肪」だ。
 
LDLコレステロールは「悪玉」と呼ばれていて、数値は高いほど良くない。
反対に、HDLコレステロールは「善玉」で、低い方が良くない、ということをご存じの方も多いだろう。

これら3つの値のいずれかが異常値になると、脂質異常症と診断される。
 
脂質異常症を放置すると、徐々に動脈硬化が進み、狭心症脳梗塞などで突然死に至ることも珍しくない。
そのため、脂質異常症は高血圧と同様、サイレントキラーと呼ばれる。
 
脂質異常症の約9割は、動物性脂肪に偏った食生活や運動不足、喫煙などの生活習慣によるものだ。

私的コメント
この表現には少し違和感があります。
脂質異常症の多くはむしろ体質的(遺伝的)なものであって、食生活を含めた生活習慣はその次に来るべき要因です。

なかでも多いのが、悪玉の高LDL、高中性脂肪の2つで、割合はほぼ同程度だ。
善玉の低HDLはそれほど多くない。
 
では、異常値を見つけたら、どのように正常に戻せばいいのだろうか。
 
生活習慣が原因の脂質異常症の場合、生活を変えれば改善するはずだ。
そのため、通常、すぐには薬を使わない。
高LDLに対しては運動はあまり効かないが、食事療法は効果が高く、コレステロール飽和脂肪酸の摂取量を減らすと効果がある。
(注 飽和脂肪酸:肉の脂身などの動物性脂肪に多く含まれ、悪玉のLDLや中性脂肪を増やす原因となる)

私的コメント
高LDLに対する食事療法も実は限定的なのです。
 
具体的にはこのような手順で進める。
まずは1カ月間、肉や卵などの動物性脂肪を徹底的にやめてもらう。
その生活を一生続けるわけではなく、その人の体が食事の変化に反応するかどうかを実験するのだ。
食事を変えて反応が出る人は、LDLが顕著に下がる。
1カ月で20%も下がる人もいるほどだ。
反対に、食事を変えても反応しない人には、薬による治療を検討する。
 
一方、中性脂肪が高い場合、その原因の多くは、アルコールや糖質のとりすぎだ。
男性はお酒をよく飲む、女性はお菓子が好き、という具合に男女で傾向がきれいに分かれるので、性別によって生活指導を変えていく。
また、中性脂肪値を下げるには運動も効果的だ。
 
なお、善玉のHDLの低下には食事はほとんど関係ない。
代わりに効くのが運動だ。
低HDLの原因は、喫煙、肥満、運動不足の3つだが、多くの場合、運動すれば数値は上がる。

参考・引用
日経Gooday 2017.9.11