ダニ、秋こそ要注意

ダニ、秋こそ要注意  フンや死骸、アレルギー原因物質が増える季節

ダニは、高温多湿の梅雨から夏場がピークのイメージがありますが、実は秋こそ要注意。
夏に増えたダニのフンや死骸から生じる「ダニアレルゲン」は、これからの季節に最も多くなるからです。特に、じかに肌に触れる寝具などは、どうダニから守ればいいのだろうか。

「好む環境」作らないために こまめな換気や除湿が大切
家にいるダニの多くは、体長0.5ミリ以下。
肉眼で見つけるのは難しいが、どんなに清潔な家にもダニはいるとされる。
 
ダニは気温25度前後、湿度60~80%程度を好むため、最も増えるのは夏だ。
ただ最近は、気密性が高い住宅や、PM2.5や花粉の侵入をおそれ、窓を開けての換気を控える家庭も増えている。
そのため、室内の温度や湿度が一定に保たれ、ダニが一年を通して生息しやすい。
夏に限らず年中、対策が必要だ。
 
ダニによる主な被害は、刺されたり、皮膚に寄生されたりすることで起きるかゆみと、ぜんそくや鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすこと。
前者は生きているダニによる被害だが、後者は、ダニのフンや死骸が、アレルギーの原因物質「アレルゲン」になることで起きる。
 
そこで、ダニ対策は、
(1)生きているダニ
(2)フンや死骸、
の両方を取り除いていく必要がある。
 
おおもとの対策になるのが、生きているダニを減らし、さらに増えないようにすることだ。
クッションなどにスプレーできるダニ駆除剤なども市販されているが、いったん増えたダニは、なかなか完全には駆除できない。普段から、ダニを増やさない環境にすることが大切だ。
 
日頃から、こまめに換気をする習慣をつけて、部屋の湿度を下げることが大切。
湿度55%以下の環境だと、ダニは増えないという研究結果もある。
よく人が触れるため、ダニがすみつきやすい布製のソファやクッションを、革製などに替えることでも効果があるという。

冬もの寝具、使う前に駆除 ◯ 丸洗い・乾燥機 △ 天日干し
生きたダニが減っても、アレルゲンは残る。
肝心なのがフンや死骸の除去だ。
特に、アレルゲンが多くなりがちな、寝具のダニ対策には力を入れたい。
 
これから秋冬ものの寝具を出す時は、押し入れなどでアレルゲンが増えた可能性があるので、使う前に洗濯したい。
ダニのフンは水に溶けるので、特に丸洗いは効果が高い。
大型の寝具は丸洗いしてくれるサービスを利用する手も。
丸洗いで、フン由来のアレルゲンは約9割を取り除けたという研究結果もある。
 
できれば乾燥機も使おう。
寝具に生きたダニが残っていても、50度の熱に20分あてると、ほぼ死滅するからだ。
ある実験では、コインランドリーで布団を洗濯して乾燥機にかけると、ほとんどのダニは死んだ。
家庭用の乾燥機でも効果はあった。
 
天日干しは、ダニが好む湿気を取り除く効果はあるが、布団の中のダニには熱が届きにくい。
アース製薬(東京都)が2017年に主婦600人にインターネット上で行ったアンケートでは、53%が「布団を天日干しすれば生きたダニを駆除できる」と思っていたが、直接の効果は小さいという。
布団たたきは、アレルゲンが布団の表面に出てきてしまう恐れがある。
 
寝具を洗ったり乾燥したりした後は、必ず掃除機をかけて、残ったフンや死骸を吸い取る。
 
汗やアカがたまった布団はダニの天国。
敷きっぱなしにせず、使ったら上げておく。上げ下ろしでアレルゲンが空気中に舞い上がり、吸い込みやすくなるため、布団を敷くのは寝る30分前までに。
その際、換気も忘れないようにする。織り目が細かい防ダニ寝具カバーなどもある。
ダニの出入りを防ぎ、アレルゲンも出てきにくい。
 
寝具以外では、カーペットなど、毛足が長く、人がよく触れるものはダニやアレルゲンが多くなる。
掃除機をかければ、アレルゲンを減らせるほか、人のフケなど、ダニのエサを取り除く効果もある。部屋全体に、ていねいに掃除機をかけることが大切だ。
「1平方メートルあたり20秒間」を目安にかけることが望ましいという。
 
子どもが触れる機会が多いぬいぐるみにも注意したい。
ダスキン開発研究所によると、買ってから3年間、一度も洗っていないぬいぐるみを調べたところ、せきやくしゃみなどの発作が起きる目安とされる量のアレルゲンが見つかった。
気になる場合は、買う前に洗えるかどうかを確認する。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.9.26


<関連サイト>
ダニアレルゲンの多い場所
https://wsnoopy.wixsite.com/mysite/blog/ダニアレルゲンの多い場所

秋冬ものの寝具を使う前のダニ対策は・・・
https://wsnoopy.wixsite.com/mysite/blog/秋冬ものの寝具を使う前のダニ対策は