東京大学の藤田敏郎教授らは、過剰に塩分を摂取して発症する高血圧の原因となるたんぱく質を発見した。
細胞形成に関わっている「Rac1」というたんぱく質で、塩分の高い食事を続けたマウスの実験から見つけ出した。
このたんぱく質の働きを抑制すれば、高血圧を治療できる可能性がある。治療薬の開発にも結びつけたい考えだ。
塩分をとると高血圧になりやすいラットとなりにくいラットを、交配を繰り返して作り出した。両グループのラットに3週間、重量の4%に当たる食塩を混ぜた食事を与え、顕著に違いの出るたんぱく質を探した。
その結果、高血圧になりやすいラットの腎臓で活発に働いているたんぱく質、Rac1を突き止めた。高血圧になりにくいグループでは、Rac1は強く働いていなかった。2つのグループでRac1の働きに違いが生じる理由は不明という。