アレルギー物質を避ける 加工食品の表示欄で確認
「卵を含む」「一部に小麦・豚肉を含む」・・・。
加工食品の箱や袋の原材料名欄にはアレルギー表示が記載されている。
食物アレルギーを抱える人にとっては、チェックが欠かせない。
本人や家族だけでなく、身近に患者さんがいる場合も、見方を知っておくと役立つ。
食物アレルギーは、原因となるものを食べた時に、下痢や嘔吐、じんましんなど様々な症状が出る。
時には意識障害などを伴い、命に関わることもある。
そこで、どんなアレルギー物質が含まれているかを患者さん自身が知ることができるようにと、加工食品のアレルギー表示が法律で定められている。
法律の対象は、あらかじめ包装されている加工食品だ。
店頭で量り売りされる総菜や、レジで包装されるパンなどは含まれない。
また、外食も対象外だ。
飲食店でメニューにアレルギー表示をしているところもあるが、法律で定められたものではないので、正しく表示されているかどうか注意が必要となる。
加工食品で表示が義務づけられているのは、「特定原材料」と呼ばれる7品目だ。
患者数が特に多いものや、重症度の高いものが該当する。
そのほかに「特定原材料に準ずるもの」という20品目もあるが、表示は義務ではなく「推奨」にとどまる。
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メーカーによっては、これらを原材料名欄で示すだけでなく、別枠を設けるなどして独自に表示し
ていることがある。
よりわかりやすいのはこの独自の表示欄なので、まず確認しよう。
例えばハウス食品は、この別枠で表示するアレルギー物質の文字の色を変えるなど、目立たせる工夫をしている。
またメーカーによっては、27品目すべてを一覧表にした上で、含まれているものを区別して示している。
ただし、こうした独自の表示方法を取り入れているメーカーは多いものの、すべての商品に適用しているとは限らない。
表示が見当たらない場合は原材料名欄で一つひとつ確認しよう。
アレルギー物質が単独でなく、ほかの原材料の中に含まれている場合は、原則としてその原材料名の直後に括弧書きする。
例えば「しょうゆ(小麦・大豆を含む)」などと書く。
ただし、この方法にはある程度の幅がある。
例えば卵や乳を「エッグ」「ミルク」と表示できる。
また、同じアレルギー物質が何度も出てくる場合は2回目以降を省略できる。
さらに、スペースが少ない場合などは原材料名欄の最後に「(一部に小麦・大豆を含む)」とまとめて書くことも可能だ。
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加工食品には思いもよらない原材料が使われていることがあるので、表示をよく見る必要がある。
確認する際の注意点としては、製法などが途中で変わることもあるので以前に食べた商品でもその都度確認すること、
「グルテンフリー」といったパッケージの表側にある文言ではなく、原材料名欄を見て判断することなどが挙げられる。
アレルギーのある患者さんも、きちんと表示を見れば、自分で食べたい加工食品を探して選べることを知ってほしい。
表示を見てわからないことがあれば、メーカーの相談窓口に問い合わせてみよう。
食物アレルギーのある人にとって、見やすい表示は命を守るだけでなく、買い物時間の短縮にもつながる。
「患者さん目線だな」と感じるメーカーもあれば、残念ながらそうでないものもある。
正しくわかりやすい表示が徹底されるにはもう少し時間がかかりそうだ。
参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2019.6.22
<関連サイト>
加工食品のアレルギー表示
https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/657