ゴマアレルギー

ゴマアレルギーに注意

健康によいイメージがあるゴマ。
一方で、食べて体調を悪くする人もいるとして、消費者庁は近くメーカーにアレルギー表示をするよう勧める品目(推奨品目)に加える。
どんな食品にゴマが使われ、アレルギーの人はどう対処したらよいのか? 

原材料よく確かめて
東京都の会社員 I さん(37)の長女(14)は4歳の時、練りゴマの入ったつゆに麺をつけて食べた。
すると、白目がぶよぶよになり、唇が腫れてきた。
吐き出してことなきを得たが、検査するとゴマアレルギーだった。
以来、ゴマは口にしない。
「あえてゴマを入れなければ食べられるのに、と思う食品が多い」と I さん。
  
カレーにも
日本ごま油工業会によると、国内のゴマの消費量は年間約16万トンで、ほとんどが輸入品だ。
各メーカーは香味やコク、健康感、食慾などを理由に、ゴマをさまざまな形で食品に入れている。
 
ハウス食品は、看板商品「バーモントカレー」に練りゴマを使う。
「こくまろカレーにも、リニューアルを機に加えた。
「ゴマはご飯にあう和の素材。コクを出すための隠し味として入れている」と同社の広報担当者。
 
また、とんかつソース、あんまん、芋ようかんなどにもゴマを含む製品がある。
 
江崎グリコは、中高年向けのキャラメル「ごまグリコ」を発売。
レトルト食品の「DONBURI亭」や加工調味食品の「ごはんによくあう」シリーズの多くにゴマ油を使っている。
 
ミツカンは、ゴマが重量の7割のふりかけ「ごまリッチ」や、練りゴマとすりゴマを含む「ごま豆乳鍋つゆ」などが人気だ。
同社によると、ゴマの香味を生かした調味料の市場は伸びているという。
 
エバラ食品工業が販売する肉の調味料「焼肉のたれ」や「黄金の味」にはゴマ油や白
ゴマが入っている。
  
表示は任意
消費者庁が2011~12年度、専門医の協力で全国の食物アレルギーの症例約3千例を調べたところ、ゴマが12例(0.4%)あった。
過去3回の調査でも原因食物の上位だったことから、カシューナッツとともに表示を推奨する品目に加えることにした。
近く、自治体に通知する。
 
ゴマの表示を求めてきた「食物アレルギーの子を持つ親の会」代表の T さんは「ゴマは予想できない商品に使われている。推奨品目の表示はメーカーの任意だが、可能な限り具体的な表示をして欲しい」と話す。
 
アレルギー体質の人はどのように対処したらよいか。
ゴマを使っている場合、原材料名表示の欄に「ごま」「ごまペースト」「ごま油」などと表示されているので確認をしたい。
ただ、微量の場合には表示されていないことがあり、メーカーに問い合わせるのが確実だ。
 
食物アレルギーに詳しい国立病院機構相模原病院の E 医師は「ゴマをすべて避けると食生活の質が下がってしまう。血液検査で陽性が出たら、病院で食物負荷試験を受け、すりゴマや練りゴマはだめだがゴマ油は大丈夫、などと細かく調べてほしい」と助言する。
    
参考・引用
朝日新聞・朝刊 2013.7.21


<関連サイト>
食べてないのに突然発症!?食物アレルギーの新常識
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180131/index.html

ゴマアレルギーに注意
http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H26-12.pdf