水虫対策、悪循環の断ち切り方

それはやっちゃダメ! 水虫対策、悪循環の断ち切り方

水虫予防に、軽石など硬いもので足の裏をゴシゴシ洗う必要はない。

水虫の原因となる白癬菌は、足の裏に付着しても、感染するまでに半日以上かかるため、それまでに洗い流せばいい。

 

白癬菌ははがれた他人の角質の中にいて角質として付着するので、消毒薬を使わなくても洗うだけで簡単に落とせる。

温泉やプールなど不特定多数の人がはだしになる場所に行ったときは、帰宅後必ず足を洗うことを心がけたい。

洗うといっても、軽石やナイロンタオルなど硬いもので足の裏をゴシゴシとこするのはNG。

角質層に傷がつくと、より白癬菌が入り込みやすくなってしまうからだ。

 

水虫はどんな風に感染する?

白癬菌はなぜ角質層を好むのだろうか。

実は白癬菌は、皮膚の角質層の中でケラチンというたんぱく質をエサにして繁殖する。

角質層は外からの刺激や乾燥を防ぐ大切なバリアーだが、細胞自体は死んでいて血管もないため白癬菌が潜んでいても体の免疫システムに感知されにくいという特徴がある。

中でも足の裏は角質層が厚いうえ、湿度もあるので白癬菌にとっては絶好のすみかになっている。

水虫の人がバスマットなどを踏むと、はがれた角質とともに、そこにすみついている白癬菌もばらまかれる。

それを他の人が踏むと足の裏に白癬菌が付着。

そのまま半日ほど放っておくと白癬菌が角質層に侵入し、その人にも水虫がうつってしまう。

爪もケラチンの固まりだが、皮膚と違って硬いため白癬菌が入り込むのは容易ではない。

そのため、ほとんどの爪水虫は足の水虫から始まる。

足の水虫を放置しておくと、やがて足の裏で増えた白癬菌が爪の先端や横から爪の下に侵入して爪水虫を発症することになる。

 

爪水虫は一度かかると自然に治ることはない

爪水虫は一度かかると自然に治ることはないし、市販されている水虫の塗り薬では治せない。

治療を受けて多少よくなっても、実は白癬菌が奥のほうに残っていることも多く、そうなると当然再発しやすくなる。

だから、自己判断で治療を途中でやめるのは禁物。

完治したはずの爪水虫が再発した、あるいは、毎年のように足の水虫になるという人は、爪に白癬菌が残っていることが多いし、爪水虫があること自体に気づいていない人も少なくありない。

 

爪水虫は足の水虫から始まることが大半だ。

足の水虫が慢性化した結果、爪の中にまで白癬菌が入り込む。

つまり、爪水虫の最大の予防法は「足の水虫にならないこと」。

そのためにも、温泉など多くの人がはだしになる場所に行ったときは、帰宅後足を洗うことを習慣づけよう。

 

そして、いざ水虫や爪水虫になってしまったら、足から爪への感染や、足や爪から体のほかの部位への感染、家族への感染などを防ぐため、皮膚科を受診し、完全治癒を目指う。

 

参考・引用一部改変

日経 Gooday 2020.6.29