新型コロナは「ただの風邪」ではない

新型コロナは「ただの風邪」ではなかった!? 医学誌Nature Medicineが公表した驚きの論文

https://diamond.jp/articles/-/296182

(DIAMOND online)

「後遺症」に関する論文が発表!

新型コロナウイルスに関して、最先端研究に特化した生物医学ジャーナル「Nature Medicine」誌から興味深い論文が公表された。

 

その論文は、アメリカ合衆国の退役軍人省のデータベースを元に、COVID-19に罹患し、最初の30日間を生存した米国退役軍人の15万3760人もの集団データを対象に発症後1年間の後遺症について調査された研究だ。

 

この研究の結果としては、感染後1年間の

不整脈、心臓の炎症、心筋梗塞といった心臓に関する疾患

脳梗塞などの脳血管障害

血栓塞栓症(足などの血管に血栓が詰まる病気)

 

こうした「血管」に関連する病気に罹患するリスクが上昇した、というものだった(例えば心筋梗塞は心臓の「血管」が詰まる病気、脳梗塞は脳の「血管」が詰まる病気)。

 

重症度の高い人の方がリスクが上昇する割合が大きい傾向にあったが、入院の必要がなかった「軽症」の人達においてもそのリスクは上昇していた。

 

もともと新型コロナは「ACE2」と呼ばれる受容体に、ウイルスの「スパイク」という、とげとげの部分が結合することで感染すると言われている。

そのため、このACE2受容体が血管にも分布していることから血管の炎症や、血栓ができやすくなる傾向になることはよく指摘されていました。

 

そして「1年間」という感染後一定の期間においても、こういった「血管」にまつわる疾患のリスクが上がる可能性が示唆されたのだ。

 

とはいえ、現段階では極端に恐れる必要はない。

 

今、あなたがすべきこと

この研究では感染後30日間を「生存した」人々を対象に行われているとはいえ、1年間のリスク増加という表現に留まっている。

感染後「2か月後」と「10か月後」を比較した場合、徐々にリスクが低下していく可能性もある。

 

そのため、今後10年単位などロングスパンで見た時にどういった評価になるのかはまだわかラナイ。

 

今後長期的にこういった脳や心臓などの血管に関連した病気に罹患するリスクが上昇する可能性も否定はできない。

 

その場合は、例えば脳の血管の劣化によって引き起こされる「脳血管性認知症」といった病気の患者数が今後増加する事もあるかもしれない。

 

だからこそ感染した人にも、そしてまだ感染していない人にも伝えたいのは、「自分の血管をできるだけ良い状態でキープする取り組みをしていこう」ということだ。

 

例えば喫煙、運動不足、生活習慣病・・・こういった要因によって血管の「動脈硬化」が進行し、脳梗塞心筋梗塞といった血管に関連する病気のリスクが上昇する。

 

コロナももちろん怖いが、明らかに血管にダメージを与えると証明されているこれらの生活習慣対策を行えば、血管に関連する病気のリスクは下げられる。

 

当然「感染しない」のが最も良い。

しかし現状、十分な対策をしていても感染してしまうこともある。

 

だからこそこれを機に、喫煙、運動不足、生活習慣病といった「血管の病気のリスク」と向き合い、日々の生活習慣を見つめ直し、予防医学に触れるきっかけにしたい。

 

このコロナ禍で自分の体と向き合うのは必須の時代となった。

「どうにもならないこと」がある一方で、「自分で変えられること」もある。

簡単な対策から一歩一歩始めたい。