救命救急について

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事故や事件の現場に居合わせたらどうすればいいか。
不用意な手当てで、ウイルス性肝炎などの感染するおそれもある。

とっさの救急救命どう対応  止血では感染症に注意

まずは肩をたたき、耳元で呼びかけよう。
「わかりますか」「大丈夫ですか」。
反応があれば、安全な場所に移す。
反応がなければ、大声で応援を呼ぶ。
「あなたは救急車を呼んで」
「あなたはAED(自動体外式除細動器)を持ってきて」。
指示の相手があいまいにならないように、一人ひとりに指示する。

 
反応がない場合、空気の通り道「気道」を確保する。
意識を失うと、舌がのどに落ち込んで気道をふさぐ可能性がある。
片手を額に置き、もう片手であご先を持ち上げ、空気を通りやすくする。

呼吸の有無を確認する。
倒れている人の口に自分のほおを近づけ、10秒間ほど耳を澄ませる。
通常の呼吸ができていない場合は、心肺蘇生に進む。
このとき、脈は確認しなくていい。
素人が脈を確認しても分かりにくいからだ。


その後、人工呼吸と心臓マッサージを交互にする。

人エ呼吸では、専用のマウスピースを使う。
持っていない場合は、人工呼吸はせず、心臓マッサージをする。
マッサージだけでも効果が期待できるからだ。

専用マウスピースには、周辺に20センチ四方ほどの塩ビシー卜がついている。
つばや血液から病気が感染するのを防ぐためだ。
東京では、有料の応急処置講習会などに参加すると教材で配布される。

もし、AEDがあれば最優先で使おう。
AEDを指示通り装着すると、電気ショックが必要かどうかも自動的に解析して
くれるからだ。

出血がある場合には止血するが、そのとき気を付けなければならないのが感染症
だ。
血液の付着を防ぐ手袋を持っていればベストだが、ないときはポリ袋を代用する。

出血場所に清潔で厚みのあるタオルを当て、その上から強く圧迫する。
薄いものを何枚か重ねてもいい。
片手で止血できなければ、両手を使ったり、体重をかけたりして圧迫する。
包帯などを止血帯として巻く方法は難しいため、勧められないという。

心臓が止まってから3分間、呼吸停止から10分間なにもしないで放置すると、
死亡率は50%になる。

 

役割分担が必要

中国・四川大地震に派遣された東京都立広尾病院救急診療科の中島康医長の話
救急救命はまず自分やその場にいる人の安全を確認することが第一。
新たな傷病者を出さないためだ。
安全を確保したうえで、次のステップに進むことになる。

秋葉原の事件では、救命にあたった人はベストを尽くしたと思う。
あの状況では助けを呼ぶだけでもたいへんな勇気が必要だった。
医師でも一人でできることは限られ、応援を呼んだだけでも重要な役割を果たした
といえる。

この事件のようなケースでは止血が最優先だが、心停止していたら、さらに出血する
としても心臓マッサージしかない。
血液を脳に回さなければならない。
胸骨圧迫は内圧を上げないと効果がないので他の人が傷をふさぐ役割分担も求められる。
少しでも重要臓器に回る血液を増やすため足を高くすることも有効だ。

出典 朝日新聞・朝刊 2008.6.19
版権 朝日新聞社

<コメント>
傷ましい事件が起きてしまいました。
テレビ報道で、下肢を高くさせて蘇生させている一般市民の姿が写っていました。
とても頼もしく思えました。

<新聞切り抜き帖>
■ 事件の現場で被害者の救護にあたった69人に、万世橋所長より感謝状が贈られる
ことになった。
介抱の最中に刺された被害者3人には、警察庁長官と警視総監の感謝状が贈られること
が決まった。
朝日新聞・夕刊 2008.6.20)
■ 本誌素粒子を法相批判(一部改変)
鳩山法相は20日の閣議後の記者会見で、朝日新聞の18日夕刊1面の時事寸評コラム
素粒子」で死刑執行に絡んで「死に神」と表現されたことについて苦言を呈した。
朝日新聞社広報部は「社として特にコメントはありません」としている。

その時の記事。
「2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名。死に神
<コメント>
朝日新聞さん。
いくら報道の自由とはいえ悪ふざけが過ぎませんか。


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