飛蚊症 老化の一種 その2(2/2)

昨日の続きです。

軽症多いが油断は禁物

ただし白い壁を見たときに半透明のゴミやビーズのようなものが浮遊して
見えるとき硝子体の中に生まれつき濁りがある別の飛蚊症だ。

硝子体剥離による飛蚊症は老化に伴う自然の現象で、治療はできない。
硝子体の収縮が進むにつれて網膜との距離が開き影がぼやけるため、
症状は次第に軽くなることが多い。
また脳が異物を無視するように働くので、「半年ほどでさほど気にならなくなる」
(森山医師)という。
 
ただ、まれに網膜の異常が隠れているので用心が必要だ。
硝子体が収縮する際に網膜が引っ張られて穴が開いたり、その穴から網膜下
に液体が入り込んで網膜剥離を起こしたりすることがあるのだ。

このほか網膜の血管が切れて眼内に出血したり、リウマチなどからくる「ぶどう
膜炎」という病気がある場合にも、飛蚊症が起きる。
きちんと見わけるには眼底の検査などが必要。
「いずれ治るだろう」と放置しない方がよい。

すぐに眼科受診を
網膜剥離の日帰り手術を手掛ける竹内眼科クリニック(東京・台東)の竹内忍
院長は「飛蚊症の症状が出たら、すぐに眼科を受診してほしい」と話す。
網膜に穴が開いている場合にはレーザーを照射して固め、網膜剥離への進
行を防ぐ治療法もある。
 
網膜に異常が起きる危険は飛蚊症が始まった直後は大きく、次第に小さくなる。
当初は「1,2週間に1回、次第に間隔を開けて検査する。暗いところで突然
ピカリと光ったように見えたり、飛蚊症がひどくなったりした場合には網膜が裂
けている可能性があるので直ちに受診する。
異常が数カ月間なければ、その後はほぼ心配なくなるという。
 
飛蚊症に良い」とうたったサプリメントも市販されているが、竹内院長は「科学的
な根拠はない」と指摘する。
「年を取るのをやめない限り防ぐことはできません」。
症状が出た直後の一定期間は注意して過ごす必要があるが、その後はできる
だけ気にしないようにするのが、一番の対応策のようだ。

まとめ  こんな時にはすぐに眼科へ
■突然、飛蚊症が始まった
飛蚊症に加えて視力が低下したり、視野の一部が見えにくくなったりした
■暗いところで稲光のような光がピカリと走るのが見えた
■視野の中を浮遊するものが急に増えた

出典 日経新聞・朝刊 2008.12.14
版権 日経新聞
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