ふくろう切り抜き帖 2008.12.30

神大、骨折の再生医療──09年春にも臨床研究

神戸大学の黒田良祐講師と先端医療振興財団・先端医療センター(神戸市)は、
骨折した後に骨がうまく元に戻らない「偽関節」の患者を対象とした臨床研究
を2009年春にも始める。
骨や血管のもとになる患者本人の細胞を骨折部分に注入して骨をくっつける。
患者の生活改善につながると期待される。

偽関節は骨折した後に手術やギプスで固定しても、折れた骨がくっつかない症状。
骨折患者の5―10%がなるとされ、再手術でも改善しないケースが多い。
超音波で刺激して骨をくっつけるなどの治療があるが、車いすやつえがないと
生活できない場合もあり、効果の高い治療法が求められている。

臨床研究は患者本人の細胞を使う再生医療の一種。
骨や血管のもとになる細胞のうち、骨などに成長する能力が高いタイプだけを選び
患部に注入する。
ラットなどの実験で治療効果は確認済み。
安全性も高いという。

神戸大は研究計画をすでに国に申請、許可が得られれば研究を始める。
研究期間は3年間。
足の大腿(だいたい)骨やすねの骨を折り偽関節になった20―70歳の患者約20人を
治療する。
出典 日経新聞・朝刊 2008.12.29
版権 日経新聞


= 日油、体細胞を効率よく作製──特殊容器で万能細胞培養n=
日油は再生医療への応用が期待される万能細胞から神経や筋肉などの体細胞を効率
よく作る技術を開発した。
特殊な高分子材料を表面に塗った容器で、万能細胞を培養して体細胞に分化させる。

再生医療創薬の研究用として来年4月から製薬企業などに販売を始める。

培養に使う容器はリン脂質と呼ばれる物資に似た高分子材料を表面に塗布し、細胞膜
と同じ構造を持たせた。

高分子材料は人工心臓向けに血液成分などがくっつきにくくする技術として既に活用
されており、安全性も確認済みという。

万能細胞の一種である胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を培養したところ、9割以上の
細胞が、体細胞に分化する前段階で形成される「胚様体」という状態になった。
新型万能細胞(iPS細胞)から体細胞も効率よく作れるとみている。

容器は理化学研究所や大学など一部の研究機関向けにサンプル提供を始めており、来春
から本格的に市販する考え。国内外合わせ年間5億円の売り上げを目指す。
出典 日経新聞・朝刊 2008.12.29
版権 日経新聞


がん放射線治療で講演会

がんの高度放射線治療をテーマにした講演会「物理学とがんの放射線治療」(東大病院
放射線科・中川恵一准教授主催、正力厚生会共催)が東京・文京区の東大で開かれ、
ノーベル賞受賞者小柴昌俊・東大特別栄誉教授らが討論した。

中川准教授は、高度放射線治療を行うには、医学物理士と呼ばれる専門職種の養成が
欠かせないと指摘。
基礎物理の研究から、放射線治療の現場に転身した医学物理士が体験を語った。
小柴さんは「物理学を学んだ人たちが、放射線治療など新しい分野に挑戦することは
素晴らしいことだ」と述べた。
出典 読売新聞 2008.12.12
版権 読売新聞社 


健保組合 1500を割る ピーク時から2割減

全国の健康保険組合の数が1500を割り込んだことが健康保険組合連合会の調べで
わかった。
今月1日時点の組合数は1497。
企業再編が活発になったことに加えて、最近は財政悪化で解散を余儀なくされる組合
も少なくない。
健保組合の数はピーク時と比べて約2割減少した。
 
健保組合はピークの1992年度に約1830あったが、96年度以降は減少が続いている。
買収や合併などで企業の数が減ったのに併せて健保組合の数も減少。
2000年度以降は毎年20以上のペースで減っている。
出典 日経新聞・朝刊 2008.12.29
版権 日経新聞
<コメント>
2008年度に入ってからは、高齢者医療制度に対する拠出金の増加などで財政は
逼迫する健保組合が増えています。
これは誰もが予想出来ることだった訳ですから、明らかに施策ミスです。
当然、減少は今後も続くはずで、このままでは健保自体が崩壊します。

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