足底腱膜炎

整形外科の診察領域は多岐にわたります。
ある大学病院には、なぜか「手の外科」という外来があります。
一方この病院には「足の外科」はありません。
なぜ「手」だけなのか。
「片手落ち」ではなく「片足落ち」といったところです。
どちらの患者さんが多いかわかりませんが、ここはぜひ「手足の外科」として
いただきたいところです。

少し調べたら、「日本手の外科学会」だけだはなく「日本足の外科学会」もありました。

日本手の外科学会
http://jssh.gr.jp/

日本足の外科学会
http://www.jssf.jp/




足の外科班
http://www.marianna-u.ac.jp/gakunai/ortho/office/group05.html
1.外傷;
骨・関節外傷(足関節果部骨折,踵骨骨折,距骨骨折,距骨骨軟骨損傷,離断性
骨軟骨炎,リスフラン関節損傷,ショパール関節損傷,中足骨骨折,など),
筋腱損傷(アキレス腱断裂,腓骨筋腱脱臼,など),靱帯損傷(足関節外側靱帯
損傷,リスフラン靱帯損傷,二分靱帯損傷,など),外傷後の変形性関節症や
足部変形,など
2.後天性足部疾患;
外反母趾,強剛母趾,内反小趾,ハンマー趾,マレット趾,鉤爪趾変形,胼胝,
鶏眼,扁平足,凹足,関節リウマチに伴う足部・足趾変形(ハンマー趾,扁平足,
内反凹足など)足根管症候群,モルトン病,足底腱膜炎(踵骨棘),後脛骨筋腱
機能不全,Haglund病,変形性足関節症など
3.スポーツ障害;
アキレス腱炎,アキレス腱周囲炎,種子骨障害,impingement exostosis,T
urf toe,腱鞘炎,外脛骨障害,三角骨障害,疲労骨折,下肢アライメント障害,
など
4.先天性足部疾患;
先天性内反足,内転足,足根骨癒合症,骨端症,中足骨短縮症に伴う足趾短縮症,
など
5.爪の変形;
陥入爪,巻き爪,爪下外骨腫,など
6.糖尿病性足部障害
7.その他;
下肢のアライメント障害や足趾,足部,足関節の変形や有痛性疾患,など
<コメント>
足だけでもこんなに多くの病気があります。

きょうは手ではなく足の病気を取り上げてみました。


Q
足底腱膜炎とはどんな病気ですか?
A
足の土踏まずには足底を形作るアーチを保つために必要な分厚い靭帯があり
ます。
その部分に、何らかの原因で炎症が起こったものです。
足を地面に付くと踵に痛みを感じ、歩行障害を引き起こすことがあります。

Q
どのような症状ですか?
A
踵の足底腱膜の付着部から土踏まずにかけて(特に踵周辺)、歩くと刺す
ような痛みを感じます。
この痛みは、踵を地面に付けた時に強く感じます。
特に、起床後の最初の数歩の痛みが強く、日中は歩行によって痛みが増して
いきます。
このように足を地面に付けていない状態が長く続いた時に痛みが強くなります。
また、つま先立ちも痛みが強くなるため、つま先立ちがしにくくなります。
踵のやや内側を押さえると痛みが生じます。
足底腱膜炎を発症している人は踵骨にトゲ状の奇形が生じている場合があり
ます。
これは足底筋膜炎によって足の負荷が強まったことによって骨細胞が異常
増殖を起こして発生したもので、近年の研究では症状には影響を及ぼさない
ことが判っています。
足底筋膜炎の症状は、足底筋の自然治癒に伴って疼痛と緩和を繰り返します。
足底筋膜炎の自然完治は個人差がありますが早ければ数ヶ月、長くて数年
かかります。

Q
原因は何ですか?
A
足底腱膜炎の原因となるのは、踵の骨から指の付け根にかけて存在する足底筋
の断裂や炎症です。
足底筋はアーチ状の構造を持つ足の骨に対して弓の弦のように張られています。
このアーチは跳んだり走ったりすることで足が受ける衝撃を吸収する役割を果
たしています。
足底筋膜炎は主に、踵の骨の周辺に発生します。
そしてその近くを走る脛骨神経に作用して痛みを引き起こします。
足底筋膜炎は、マラソンなどの長距離走で足を酷使することで発生することが
多く全てのスポーツ選手が足底筋膜炎を発症する可能性を背負っているとも
いえます。
しかし、スポーツ選手だけが発症する病気ではありません。
長時間の立ち仕事や肥満による足への負担の増大、靴底が固い靴の使用や加齢
によるアキレス腱の緊張なども発症の原因になることがあります。
症状がすでにあるのに、健康のためにとジョギングなどの運動を行って悪化
させてしまうケースもあります。
このように誰もが発症する可能性がある病気といえます。

Q
どのようにして治療するのですか?
A
#対症療法
まず、急性期は局所の安静が第一です。
立ったり、歩いたりする時間を減らして、なるべく足部の負担を減らします。
ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)やステロイド剤の投与で症状の悪化を抑え、
痛みを感じたらアイシングやマッサージで緩和させるといった方法で治療を進
めます。
しかし、痛みのある部分の過度なマッサージは炎症を悪化させる危険性があり
ます。
痛みが止まらなければ局所にステロイドの注射をすることもあります。
また、アーチサポートやヒールカップといった、足の構造を支援する装具を装着
する場合があります。
いずれにしろ、走ったり跳んだりといった足に衝撃を与える行動を伴う激しい
運動は禁物です。


#ストレッチ
足関節の動き、特に背屈を十分に行うことで症状の改善が得られることがあり
ます
いくつかの研究では、足底筋へのストレッチを行なうことで治療効果が高まると
いう結果があります。
足底筋のストレッチは、爪先立ちの状態になり足首を反らして足の裏が延びきる
ようにするもので、一日あたり左右30~40回ほど行ないます。

#手術
最近の海外での調査では全体の約5%で手術が必要になるというデータも出て
います。
踵の痛みが酷い場合、外科手術を行なって足底筋を切断し踵骨のトゲを切除する
ことがあります。
足底腱膜炎への手術は、痛みを鎮め完治を早めることを目的として行われる、
いわば「最後の手段」です。



<参考および引用サイト>
~足底腱膜炎についておたずねします~
http://www.mhikobe-hp.jp/news/sensei/11.htm

足底筋膜炎(足底腱膜炎)
http://www.footf.net/09footbottommusclefilmflame.html


<関連サイト>
「足底腱膜炎」とは
http://www.t-pec.co.jp/news/2004/04.html




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出典 朝日新聞・朝刊 2009.5.29
版権 朝日新聞社


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<番外編>
#同窓会支援サイト 「ゆびとま」突然停止…会員350万人
卒業後疎遠になった友達とインターネットを通じて再会しようという同窓会支援サイト
この指とまれ!」(通称・ゆびとま)が5月初めに突然停止された。会員数は
約350万人に上り、小学校から大学まで約6万校の出身者が利用しているとされて
いるだけに「お互いの連絡がとれなくなった」と混乱が起きている。
また、登録に際して入力された膨大な個人情報の行方を危惧(きぐ)する声もあがって
いる。
運営会社「この指とまれ」の登記上の所在地の東京都中央区のビルは空室。管理会社に
よると既に事務所を引き払ったといい、電話は不通。
連絡先のメールアドレスへの毎日新聞の問い合わせにも返答はなかった。
http://www.excite.co.jp/News/society/20090531/20090531M40.105.html
2009年5月31日 02時30分 ( 2009年5月31日 10時55分更新 )
<コメント>
怖い話ですね。
無料(タダ)ほど怖いものはないというのはこのことでしょうか。
実は私も、無料の会員制ブログの会員です。
たしか医師免許の登録番号もデータ化されている筈です。