C型肝炎の薬物療法とデータマイニング

肝炎治癒率を一目で
医療にもデータマイニング
大量情報解析し新知見

大量のデータをコンピューターで解析し、そこに潜む法則や項目同士の関係を見つける「データマイニング」という技術が、医療分野で使われ始ました。
最近、慢性C型肝炎の患者ごとに薬物療法が有効かを予測する手法を、厚生労働省研究班が開発しました。
血液やウイルスの検査データをもとに有効性を予測するもので、治療方針の検討や、患者ごとに最適な治療えお施す「オーダーメード医療」の実現に役立ちます。
この「データマイニング」は1990年代から流通業や金融業などのマーケティング分野で利用されている手法です。
今後は慢性C型肝炎以外にもこの手法が用いられそうです。


以下は
肝炎治癒率を一目で
医療にもデータマイニング
大量情報解析し新知見
http://kk.kyodo.co.jp/iryo/news/0116hepatitis.html
(最新医療情報 MEDICAL NEWS  共同通信社
版権 共同通信社
(一部改変)
の記事です。



▽効果を予測
武蔵野赤十字病院の泉並木・消化器外科部長らは、いくつかの円グラフを矢印でつないだ図を患者に見せている。
インターフェロン単独治療の効果を予測するアルゴリズム(手順)です」と泉部長。  
患者の血液検査データから得られた、ウイルスの遺伝子変異数や量、血小板数などを当てはめながら矢印をたどれば、ウイルスが体内から消える確率(治癒率)が分かるという。  
例えば、ウイルスの遺伝子型が1bで、変異が2個、54歳で血糖値が120などの男性なら治癒率は43%。
ほかの条件は同じでも血糖値が140以上の患者なら、治癒率はその半分になる。  
基にしたのは92年以降に来院した患者の検査データ約130万件で、市販の専用ソフトで解析。
129の検査項目のうち54項目が治癒率と関係があることが分かり、2006年の日本肝臓学会で発表した。  
インターフェロン単独で治癒率80%なら、脳出血などの副作用の恐れがある抗ウイルス薬リバビリンを併用しなくても済む」というように、治療方針の決定にも利用している。

▽採掘し金脈に 
 
データマイニングは、無意味に見えるデータの山を採掘(マイニング)し、金脈にたどり着こうというものだ。
 
スーパーの販売データを解析し「ビールを買う人は紙おむつも買うことが多い」などの一見かかわりがないと思われる項目同士の関連が分かった場合、理由が不明でも、紙おむつをビールの近くに置くなど、販売戦略にも応用できる。
 
実際に両方を近くに並べたら販売が増えたという成功例が報告されています。
金融機関は、顧客データからカードローンを使いそうな人を絞り込みダイレクトメールを送る手掛かりにもしている。
バーコードやクレジットカードなどの利用が広がりデータ収集が楽になったのと、データの蓄積や解析のコンピューター技術が飛躍的に進んだことで可能になった。
 
C型肝炎の場合、それぞれの検査項目と治癒率の関係を割り出すことは比較的簡単だが「多数の項目を総合的に見て、どれが治癒率に深くかかわるか重み付けをする」(泉部長)のは、データマイニングでなければ容易ではない。




▽低い認知度 
 
仮説を立てずにデータ処理し新知識を見いだすユニークな手法だけに、意外な発見もある。
 
国立病院機構長崎医療センター長崎県大村市)の八橋弘・治療研究部長は03年、C型肝炎患者の余命判定を実用化。
「ある腫瘍(しゅよう)マーカーとコレステロール値が、余命に深くかかわっていることが判明した」と言う。
 
泉部長も「血糖値がインターフェロン治療の効果を左右することが、初めて分かった。
患者に血糖値を下げるよう根拠を示して説明できる」と利点を強調する。
 
コンピューターのサイバー攻撃検知など応用は広がっているものの、データマイニングの認知度は医療ではまだ低い。
 
八橋部長は「統計解析の専門家からは『面白みはあるが再現性がない』と言われた」と明かす。
だが「遺伝子の塩基配列が一つだけ異なり薬の効き目や病気のかかりやすさを左右する一塩基多型(SNP)を解析するのに有用だろう」と注目。泉部長は「糖尿病や心筋梗塞(こうそく)など重大な合併症の危険因子を探ったり治療効果を予測したりするのにも使えそうだ」と期待している。

<参考記事>
出典 日経新聞・朝刊 2009.7.6
版権 日経新聞
C型肝炎
C型肝炎ウイルスで起こる病気で、肝臓がんの最大の原因。
国内推定患者は200万人。
治療はペグインターフェロンリバビリンぼ2剤併用が基本だが、患者の半数しか効かない。
現状では治療効果の事前予測は難しい。
厚生労働省研究班は、日本人に感染者が多く、治りにくいとされるタイプのウイルス(遺伝子型1b)に感染した患者約1100人の様々な検査データを分析し、2剤併用治療の有効性を予測するのに有効なデータを探した。
データマイニングを活用して分析した結果、血液検査のALTや血小板数、肝臓がん診断に使われるAFPの値が、治療効果に関係していることを突き止めた。
■これらの値と患者の治療結果の関係では、ウイルスが体内から消える確率(治癒率)が70%以上期待できる群と、逆に20%程度しか期待できない群がそれぞれ3割に上がり、治癒予測に役立つことが分かった。
■ウイルスの遺伝子解析で、ISDRという遺伝子の部位に変異が2個以上あると8割が治るが、1個以下だと4割に下がった。
ただし1個以下でも別の部位に変異が起きてなければ、治癒率は6割を超えた。
■治癒率が高いと予測した患者は2剤併用で積極的に治療し、低い患者じゃ将来のより効果が高い別の治療法の開発を待つなど、治療法選択の手掛かりになる。


<関連サイト>
医療分野の発展にも寄与するデータマイニング
C型肝炎患者の膨大な医療データから新たな知見を得る~
http://www.atmarkit.co.jp/ad/spss/spss0801/musashino.html



<自遊時間>
裕次郎さん二十三回忌に12万人最後の別れ
菩提(ぼだい)寺の横浜・総持寺の本殿を再現した拝殿「裕次郎寺」。
鶴見総持寺の僧侶120人が読経。

 





私は別に石原裕次郎のファンではありません。
大きなイベントをやっていただくことには何も意見はありません。

しかし今回のイベントで気になることが一つだけあります。
それは、ご本尊のお釈迦様が総持寺から運びこまれたことです。

石原軍団の「おごり」と、唯々諾々と(?)受け入れた寺社側。
恐らくかなりのお布施がされたんでしょうが、一檀家への依怙贔屓。
私も同じ宗派ですが、非常に不愉快な気分です。
マスコミではまったく取り上げられないことにも、芸能界へのマスコミの妙な心配りを感じます。

皆様はいかが感じられましたか?