コーヒーと高血圧

##コーヒーで高血圧の危険性を下げよう!
コーヒー党に嬉しいお知らせです。昇圧作用があるカフェインを含むため血圧を上げると考えられていたコーヒーに、高血圧になる危険性を増す効果はなく、むしろ下げる効果があることが確認できました。

#コーヒーは血圧を上げるの?
誰でも知っているようにコーヒーの成分カフェインは、中枢神経に直接に働いて覚醒作用があります。また腎臓に働いて利尿作用もあります。

このカフェインは、心筋に直接作用して心筋機能を上げるので血圧を上昇させます。
このため、高血圧を引き起こす可能性が危惧されていました。
確かにカフェインを注射した場合は昇圧作用があります。
しかし、コーヒーを常用している人では、コーヒーを飲んでも血圧はほとんどあがらないことが判明しています。

#米国男性では否定された「コーヒー高血圧誘因説」
高血圧の危険因子で重要なのは、なんといっても年齢です。
米国の男性医師を30年間に渡って長期追跡した調査があります。
結果としては、コーヒーを飲んでも飲まなくても高血圧を発症する頻度に差はありませんでした。

#米国女性ではコーヒーで高血圧の危険性が減少
米国ではNurses' Health Study[NHS:看護師健康調査]の追跡調査が、生活習慣と病気との関係について様々な結果を報告しています(なお、看護師健康調査には1976年に設立されたNHS Iと1989年に設立されたNHS IIがあります。NHS IはNHS IIより高齢な集団です)。

看護師健康調査において、コーヒー・紅茶・コーラを飲む習慣と血圧について10年間の追跡調査を行いました。調査では、コーヒー(カフェイン入り・抜き)、紅茶(カフェイン入り・抜き)、コーラ(コーラ・ダイエットコーラ)の6種類を別々に扱っています。
NHS IとNSH IIも別々に解析しています。

コーヒーについては、高血圧とは無関係という結果になりました。
むしろ飲料が多いと高血圧の危険性が減る結果となりました。
1日3杯までは飲まない群と差はありませんでした。
4杯~5杯、6杯以上となると高血圧になる危険性がより減る傾向となりました。
なお、カフェイン抜きのコーヒーでも似た結果となっています。
(カフェイン摂取と高血圧に因果関係はない)

カフェイン入り紅茶については、年齢の高いNHS Iでは紅茶と高血圧とは関係ありませんでした。
一方、年齢が低いNHS IIでは、高血圧になる危険性が少し上昇しました。
(このカフェインは、注射した場合には昇圧作用があると確認されています)

コーラについては、普通のコーラでもダイエットコーラでも飲む量が増加すると高血圧になる危険性が増す結果となりました。
現時点ではカフェイン以外のコーラに含まれているどの成分が高血圧に関係しているのかは不明です。
(コーラを飲むと高血圧につながることがわかりましたが、コーヒーを考えると、コーラに含まれるカフェインというものが高血圧の原因でないことも言えると思います)

#日本人男性でのコーヒーと高血圧の関係は?
日本人に関しては長期観察した報告は残念ながらありません。
ただし、男性についてコーヒーの摂取と高血圧の関係を調べた報告はあります。
コーヒーを摂取する群の方が高血圧の人の率が少ないという結果になっています。

#高血圧が心配な人はオレンジジュースも飲みましょう!
これからは、コーヒーを飲む時に血圧を心配する必要はありません。
ゆっくりとコーヒーの香りを楽しみましょう!

オレンジジュースには高血圧を予防する効果があります。
朝食には、目覚めコーヒーに加えてオレンジジュースも飲みましょう!


<参考および引用サイト>
コーヒーで高血圧の危険性を下げよう!
http://allabout.co.jp/health/familymedicine/closeup/CU20051124C/

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Heart and Kidney-私たちの近くにあるもの

<関連サイト>
高血圧とコーヒーについて
http://www.criver51.com/01/kouketsuatsu-coffee.html
■コーヒーは飲むと血圧が上がるなど、飲み過ぎは身体に悪影響というのが一般的でした。
しかし、最近のコーヒーと血圧の関係を研究した報告は、国内外でいくつかありますが、すべて、コーヒーを飲むと高血圧から遠ざけるという結果になっています。
■日本においても、コーヒーと高血圧症の関係を調べた研究があります。
これは、東京都内の診療所で2003年10月から半年間、生活習慣病健診を受けた、健康な20~70代の男性約4600人が調査対象で行ったものです。
これも、コーヒーを飲まなかったグループに比べ、飲んだグループの方が高血圧の人の割合が少ないという結果が出ています。
■コーヒーはアルコール性高血圧も下げる可能性もあります。
■コーヒー中のアミノ酸によって、動脈硬化が進むという研究報告もあるそうですから、たくさん飲めばいいというここではないようです。
コーヒーの摂取は1日に3杯程度が適量だと言われています。

高血圧とコーヒーの関係
http://www.alldigest.net/health/health_disease/000543.html
■American Journal of Clinical Nutrition誌に掲載されたこの報告から健康的な女性の場合、1日に6杯のコーヒーを飲んでも高血圧になるリスクは10年後も飲まない人と変わらないということがわかったのだといいます。
■ただし、女性の場合、時々コーヒーを飲む人の方が毎日のように飲んでいる人よりも高血圧のリスクが高くなるといった結果にもなっています。
■男性の場合は高血圧とコーヒーの大きな関係は認められなかったといいます。
今回の調査は6,400人(当初の平均年齢は40歳)を対象に11年間にわたって行われたものでした。

コーヒーでは高血圧にならない、30年間の追跡研究で判明
http://www.tahara-seikei.com/6022.htm
■少なくともコーヒーをブラックで飲む男性では、飲み続けても高血圧になる心配はしなくてもよさそうだ。

コーヒーと血圧
http://superiorhealthcaremgt.com/体/kiji30
■最近、コーヒー豆に含まれるポリフェノールの一種のクロロゲン酸*がラットの血圧を下げる可能性があるといわれているそうです。
また人においてもコーヒーが血管を拡張させることによって血圧が下がるという研究報告があるが、詳細な原因やメカニズムの研究はこれからの課題だといういことです。
(クロロゲン酸;カフェイン同様コーヒーの主成分のひとつ。コーヒーの色や香りのもとで抗酸化力をもつ)

コーヒーの不老力
http://www.flavorcoffee.jp/info/coffeestory/coffeeantiaging3.html
(この記事を読むだけでコーヒーが飲みたくなります)




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「ラ・ムラド(コリウールの風景)」
http://blog.livedoor.jp/gonzaemon2007/archives/cat_50215395.html


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