花粉症をパンで治すお話

花粉症でお悩みの方に朗報です。
パンを食べて花粉症を治すというお話です。

#花粉症のもと食べれば症状和らぐ 都が研究
注射打たず、パンに付け原因物質パクリ
花粉症7割軽減

花粉症の原因物質をあらかじめ口から投与すると、7割の人で花粉症の症状が抑えられた――。
東京都がこんな研究結果をまとめた。根治も期待できるといい、都は国などに実用化を働きかける。

都によると、花粉症を引き起こすのは花粉に含まれる抗原と呼ばれる物質。
これが体に入ると免疫反応が過剰になって鼻水やくしゃみが出たり、目がかゆくなったりする。

都は抗原を体内に取り込んで体を慣らし、免疫反応を抑える「減感作(げんかんさ)療法」の一つとして、日本医科大と共同で06年夏から実験を始めた。
花粉症の症状がある142人の舌の下に、スギ花粉の抗原を含ませた約1センチ角のパン片を置いて投与するもので、期間は2年間。1日1回2分間で最初は毎日投与し、次第に濃度を濃くして回数を減らした。

その結果、100人の症状が改善した。
花粉飛散期に常に鼻が詰まっていた重症者は28%から4%に激減。
ほとんど症状が出ない人は逆に5%から20%に増えた。今年の都内の花粉飛散量は06年比で約6倍だったので、都は「効果は飛散量に左右されない」としている。

同様の研究で、100人以上の患者データを同時に集めた実験は国内で初めてという。
都は「今回の方法なら自宅で簡単にできる」と期待する。

だが、治療に使う抗原は、薬事法に基づく承認が必要になった場合、治験などに数年かかる可能性がある。
都は、パン片の代わりにトローチなどへの改良も検討し、早期の実用化に向けて国や製薬会社へ働きかけを進めるという。
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出典 朝日新聞・朝刊 2009.11.4
版権 朝日新聞社


<関連記事>
花粉症改善に「舌下減感作療法」
■現在の花粉症治療について、「症状を抑える対症療法が中心」と指摘。
その上で、根本的治療法として現在、保険適用されている皮下注射での減感作療法について、2年以上にわたって医療機関に通院し、注射を実施するなど、患者負担が大きく、「利用しやすい根本的治療法の実用化が望まれている」としている。
■実施方法は、スギ花粉の抗原エキスを食パンの小片に垂らし、協力患者がこの食パン小片を2分間舌下に保持した後、吐き出すというもの。
抗原エキスの濃度や量を段階的に増やすとともに、投与の間隔を「毎日」から「2週間に1回」へと広げていった。
■副作用は、鼻や目のかゆみ、舌の違和感、発疹といった「軽微なもの」で、アナフィラキシーのような重篤なケースはなかった。
■舌下減感作療法
アレルゲンと呼ばれる原因物質(花粉症の場合は花粉)を体内に少しずつ取り込ませて根本的な体質改善を期待する方法。
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http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25026.html
出典 医療介護 CB news 2009.11.2

<コメント>
減感作療法は花粉エキスを薄めて皮下注射する方法で従来から専門医療機関で行われています。
今回の「舌下減感作療法」も投与法が異なるだけで皮下注射法と原理は同じです。
アレルゲンの量の調整が問題になるために、恐らく勝手に自分で行うことは出来ないと思います。
医療機関への通院の手間は変わりません。
たしか東大の発表だったと思いますが、スギ花粉のエキスをカプセルで飲んでもらうという「経口減感作療法」を以前に聞いた覚えがあります。



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