タミフルの効果

タミフル、軽症者への効果は疑問 英医学誌
2009年12月8日発行の英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)は、抗インフルエンザウイルス薬タミフルは、軽症の人が肺炎など合併症を起こさないようにする効果に疑問があるとする国際チームの論文を掲載した。

論文は、世界の優れた治験結果を選んで再検証する「コクラン共同計画」の一環。
同計画は2006年にタミフルは合併症を防ぐのに有効との報告を出しているが、報告の根拠に使われた臨床試験(治験)を再検討したところ、一部に疑問のある内容が含まれていたという。
これらの治験は、製造元のスイス・ロシュの助成で行われていた。

それらの治験結果を除外して計算し直すと、タミフルは、症状が1日短くなる程度の有効性はあったが、軽症の人の合併症予防効果を示す十分な証拠はなかった。
論文は、「2006年の報告は信頼できない可能性がある」としている。
ただ、すでに合併症を起こし、入院が必要なほどの重症患者には有効だった。

合併症を予防する効果は、各国がタミフルを使用・備蓄する大きな根拠となっている。
日本はタミフルの使用量が多い国の一つとして知られ、備蓄も進めている。

スイス・ロシュは「除外された治験で呼吸器感染を減らす効果は示されている」などと反論している。
http://www.asahi.com/special/09015/TKY200912090359.html
出典 asahi.com 2009.12.10
版権 朝日新聞
<コメント>
このタミフル新型インフルエンザワクチンに置き換えてみても不自然はないかも知れません。
少なくとも
今年初めて登場したワクチンですから、効果の検証も当然出来てはいません。
不思議なことに、季節性ワクチンについても効果についてしっかり検証した論文にお目にかかったことがありません。
厚労省のHPにも、「効果が『期待出来る』」と表現されています。

リレンザについても今ひとつよく分からないことがあります。
私はタミフルに異常行動の問題(これは未だに関連の有無の結論が出ていません)がクローズアップされた直後からリレンザに切り替えて来ました。
リレンザが普及して来たのは今年の途中からです。
神戸の高校生の新型インフルエンザの第一例でさえタミフルが使用されていました。
タミフルは10代の患者さんには原則禁忌にかかわらず使用され少なからず疑問に思っていました。

さて、このリレンザですが、口から吸う形になっています。
ご存知のように、インフルエンザの検査は鼻孔から綿棒を鼻の奥(医学的には上咽頭といいます)に突っ込んで検査します。
これは、この部位にウイルスが多いことがわかっているからです。
口から綿棒を入れて調べる方法では検出率が低下します。
それならば、リレンザの吸入法としては、鼻から吸う方法の方が良いと思うのですが、何故か口から吸い下咽頭や気管へ薬剤が分布します。
一番効かせたい上咽頭には分布しないのです。

メーカーはのどに塗布され、体内への吸収は5%と主張します。
要するにタミフルのように体内に入って効く抗ウイルス剤ではないので副作用が少ないと言っています。
それならば、どうして体内に入り込んだインフルエンザウイルスに対して効果があるのでしょうか。

メーカーに問い合わせましたが明快な回答がありません。