肺炎ワクチン供給拡大

ファイザーやメルク、肺炎ワクチン供給拡大 インフル重症化防ぐ
米製薬大手が肺炎などの原因細菌となる肺炎球菌に効果があるワクチンの日本向け供給を拡大する。
新型インフルエンザの流行に伴い、免疫力の低下で患者が肺炎などの感染症になる例が増えているため。
メルクは2010年のワクチンの輸入量を09年の2倍以上に増やし、ファイザーは今後発売を目指す乳幼児向けワクチンを成人にも使えるように10年中に承認を申請する。
供給体制を整え、インフルエンザの重症化防止に役立てる。
 
新型、季節性を問わず、インフルエンザウイルスへの感染が直接の死因になるのはごく一部。
実際はほかの細菌への感染がきっかけで死亡する例が多い。
肺炎球菌は肺炎や髄膜炎などの感染症を引き起こし、免疫力の弱い高齢者らの重症化につながっている。



<関連サイト>
肺炎球菌ワクチン利用を 高齢者の肺炎予防に効果
http://www.47news.jp/feature/medical/news/1104haien.html
(コメント;ちょっと古い内容になっています)
■高齢になるほど死亡原因に占める「肺炎」の割合は高くなる。2001年の1年間、日本では約8万5千人が肺炎で死亡しているが、そのほとんどが65歳以上の年配者だ。
肺炎の原因は、ウイルスなども含まれるが多くは細菌によるもので、その半分近くが「肺炎球菌」という。
■日本では1988年から肺炎球菌のワクチンがあるのだが知名度が低く、まだ接種率が非常に低い。米国では65歳以上の接種率は60%を超えている。
ワクチン接種で肺炎による死亡を相当抑えられる。
■肺炎は風邪やインフルエンザをきっかけに引き起こされる。
■健康なときは、細菌が肺への通り道である気管支に入り込んでも、粘膜の表面に生えている無数の“繊毛”などの働きで排出されてしまうが、例えばインフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスが気管支粘膜の細胞内で増殖し、繊毛がはがれ落ちて、排出作用が低下してしまう。
(コメント;喫煙者も繊毛の機能低下がいわれています。しかし喫煙者が肺炎にかかりやすいというデータがあるかどうかはわかりません。)

肺炎
http://www.ne.jp/asahi/web/oki/health/haien.html
■年間100,000人が肺炎で死亡しており死亡原因の第四位。
抗生物質が効きにくくなったこと、高齢者が増えたことが肺炎患者が増えている理由。
■65才以上の高齢者は命に関わるので注意。
肺炎の死亡者の95%は65才以上の高齢者、65才以上の人がインフルエンザにかかると、4人に1人が肺炎になる。
■歯磨きが肺炎の予防に効果があることも分かってきた。
冬は夏に比べて3~4倍発生が多い。
■最近は耐性菌が増えてきて抗生物質の60%が肺炎球菌に効果がないとの報告がなされている。




<番外編 その1>
#「新型インフルの終息遠い」 WHO事務局長が会見
世界保健機関(WHO)のチャン事務局長は29日の記者会見で、新型インフルエンザについて、北半球の多くの国で感染のピークを越えつつあるものの、発展途上国では感染が拡大しているため終息には程遠く、半年から1年は経過を注意してみていく必要があると述べた。

事務局長は、米国や欧州主要国などで感染者増加の勢いが落ちているものの、エジプトやインドなどではなお感染者が増え続けていると指摘、警戒を緩めるべきではないと強調した。
http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt248/20091229AS2M2902W29122009.html
出典 NIKKEI NET 2009.12.30
版権 日経新聞


<番外編 その2>
新型インフル、「北半球の大半でピーク越す」 WHO分析
世界保健機関(WHO)は23日発表した新型インフルエンザの最新分析で、「北半球の大半でウイルスの活動はピークを過ぎた」との判断を示した。
特に米国やカナダの減少傾向が顕著で、感染の第1波が終息に向かう可能性が高まってきた。日本についても「最近ピークを過ぎ、減少が続いている」と分析した。

ただ、東欧や中央アジアなどでは感染がまだ拡大しているうえ、いったんピークを過ぎた地域に第2波が及ぶ恐れがある。
WHOは3段階で示す新型インフルエンザの健康被害の深刻度を「中度」に据え置き、今後も警戒を続けるよう各国に呼び掛けている。

WHOによると、20日時点の世界全体の死者数は1万1516人で、1週間前より934人増えた。欧州での増加が目立ち、391人増の2045人に達した。







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