新型インフルエンザワクチン 2010.1.25

##新型インフルの輸入ワクチン 大量在庫へ 初回配布希望200回分のみ
2月から出荷が始まる新型インフルエンザの輸入ワクチンについて、第1回出荷分(474万回分)の配分を希望した都道府県は山梨県だけで、配分希望も200回分だけだったことが22日、厚生労働省の調査で分かった。

当面はほとんどの輸入ワクチンが国の在庫となる見通し。
厚労省は「どの程度余るかも含め、対応を検討する」としている。

輸入ワクチンは、国が欧州の2社から計約1126億円で計約9900万回分を購入する契約を結んでおり、2月3日にノバルティス社(スイス)製の234万回分、同5日にグラクソ・スミスクライン社(英国)製の240万回分がそれぞれ各自治体へ初出荷される予定だった。
山梨県では4医療機関がグラクソ社製200回分を希望。
同県は「具体的に接種希望者がいるのかは分からない。医療機関が念のために発注したのではないか」としている。

国産ワクチンも今月29日に9回目の出荷が行われるが、649万回分の出荷予定に対し、配分希望は全国で計520万回分。
2月以降も約1466万回分の出荷が予定されている。

一方、国内の患者数は7週連続で減少。
最新の1週間(11~17日)の新規患者数は1医療機関当たり8・13人で、40都道府県で前週を下回った。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=19953
出典 読売新聞 2010.1.23
版権 読売新聞社

<コメント>
今後新たな感染症が現れたとき、国際社会や製薬業界が機敏な対応に慎重になる恐れもあります。
われわれ医療機関も予約者の中でキャンセルが多くなれば、今後接種そのもの自体を再検討しなければなりません。
今回の騒動で一番振り回されたのは最前線の開業医であり、新型インフルエンザやワクチン接種そのもので亡くなられた方を除けば最大の被害者ともいえます。
だれだけのワクチンがいつ入ってくるかもわからず、ワクチン入手後は返品も利かず。
報道以上の情報は何も入手できず。
新型インフルエンザワクチンについては、まるで悪夢のような3か月間でした。



##新型ワクチン、0歳児にも接種
厚生労働省は、新型インフルエンザワクチンの接種を、0歳児に対しても認めることに決めた。
これですべての国民がワクチンを受けられることになった。

ワクチンの優先接種の対象は、1~18歳の子供、65歳以上の高齢者、持病のある人、0歳児の両親などに限られ、0歳児は免疫がつきにくいとして、はずされていた。
優先接種が一段落し、19~64歳の健康な成人への接種が始まっているが、国産ワクチンも余剰がでる見通し。
そのため厚労省は、親が強く希望する場合は、医師と相談の上で0歳児に接種することも可能とした。国産ワクチンの場合、0歳児は成人の5分の1の量を、1~4週間の間隔をおいて2回接種する。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=19869
出典 読売新聞 2010.1.21
版権 読売新聞社
<コメント>
「0歳児は免疫がつきにくい」としておきながら「親が強く希望する場合は」接種可能ということです。
ワクチンの余剰を取り繕う役人言葉がチラチラ見えます。


##保存剤ないワクチン、妊婦以外にも接種へ
厚生労働省は、保存剤が添加されていない妊婦用の新型インフルエンザワクチンを、妊婦以外に接種することも認めることに決めた。
同省のワクチン接種に関する事業実施要綱を改正し、都道府県などに通知した。

このワクチンには、胎児の発達に障害を及ぼすという指摘が出たこともある保存剤が使われていない。

新型インフルエンザの流行が収まり、医療機関でワクチンが余り始めているため、厚労省は保存剤が添加されていないワクチンを妊婦用以外にも流通させることに決めた。

保存剤が添加されていないワクチンは、2月までに計約270万回分が出荷される。

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=19765
出典 読売新聞 2010.1.20
版権 読売新聞社
<コメント>
何だ。
妊婦用の「埋蔵ワクチン」がまだ270万回分もあったんですね。
まだまだありそうです。
そしてあまりそうです。



##新型インフル 輸入ワクチン実需なし 1126億円無駄に?
厚生労働省が欧州の二つの製薬会社から輸入することを決めた新型インフルエンザ用のワクチンについて、医療機関の需要はほとんどない状態であることが十九日、本紙が行った四十七都道府県への聞き取り調査で分かった。 
 
輸入予定のワクチンは成人換算で九千九百万人分で、総額千百二十六億円。
厚労省は二十日付で都道府県から輸入ワクチンを希望する医療機関の数などの報告を受けるが、現時点での需要を「ゼロ」「発注見送り」としたのは二十六都府県に上った。
国産ワクチンも余剰気味の状況を受け、このうち需要調査そのものをしていない県も十一あった。
 
「少しだが需要はある」としたのは七府県あったが、「場合によっては使いたい」と流行が再燃した場合に限定するなど実需とは言いがたい内容。
 
そのほかの県も、輸入ワクチンは接種方法が国産ワクチンとは異なる点や、出荷単位が大きく中小の医療機関は使いづらい点などを挙げ、「需要はほとんどないだろう」と回答した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010012002000109.html
出典 東京新聞 2010.1.20
版権 東京新聞社
<コメント>
1126億円という数字は記憶に留めておく必要があります。
昨年の流行語ともなった事業仕分け
結局総額いくらが予算を削除されたのか具体的数字はどうだったのでしょうか。
今回の額のほうが多いとすると笑っていられません。



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<きょうの一曲> モーツアルト ピアノソナタ 第7番
"III. Presto" from: Sonata No. 7 in A minor, K. 310. (Mozart)
Claudio Arrau plays Mozart (vaimusic.com)
http://www.youtube.com/watch?v=pRXdIfNPib4&feature=related




読んでいただいて有難うございます。
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