身体表現性障害

昨日の朝日新聞の健康相談のコーナーの「どうしました」の欄に「身体表現性障害」という専門医以外には耳慣れない病名が紹介されていました。
内科や整形外科を訪れる方も多いとのことで一般の方もある程度の知識をつけておいた方がいいかも知れません。

以下は「メルクマニュアル家庭版」からの紹介です。
私自身、翻訳物は誤訳やこなれていない日本語訳がされている場合も多くあまり好きではありません。
何より、せっかく英語の勉強が出来るのにもったいないという気持ちがあります。

しかしこのサイトは、この章に関する限りしっかり訳されています。
きっと他の章も同様と思われます。

話は少し長くなってしまいますが、このメルクマニュアルは随分と歴史のある医学書です。
かのシュバイツアー博士がアフリカで診療する際に活用したということでも有名です。
その家庭版が一般の方が日本語でしかも無料で見れるというのもインターネットのおかげです。
素晴らしいことだと思います。
定評のある書物ですから、数ある医学関連のサイトの中でも世界で最も信頼されている医学書の一つで、バイブル的な位置づけになるものです。




身体表現性障害には、体の異常を示唆するような体の症状や問題を訴えるが実際には体の異常は見あたらないものや、自分の外見に欠陥があると思いこむものなど、さまざまな精神障害が含まれます。こういった体の症状や問題は多大な苦痛を引き起こしたり、日常生活に支障を来します。

身体表現性障害は比較的新しい用語で、以前は心身症と呼ばれていました。
身体表現性障害では、身体症状の訴えがあるにもかかわらず、原因となる身体疾患が見あたりません。中には、そういった症状を起こす可能性がある身体疾患がみられる場合もありますが、症状の重症度や持続期間の説明にはなりません。
身体表現性障害の患者は仮病を装っているのではなく、本当に重大な体の問題があると心底思いこんでいます。

最もよくみられる身体表現性障害は、身体化障害、転換性障害、心気症、身体醜形障害、疼痛障害です。
同じ身体表現性障害と診断された患者の間でも、大きな個人差がみられます。
治療法は障害の種類によって異なります。



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(画像をクリックすると拡大します)
出典 朝日新聞・朝刊 2010.2.12
版権 朝日新聞社



<参考および引用サイト>
メルクマニュアル家庭版, 身体化障害 99 章 身体表現性障害
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec07/ch099/ch099a.html

<身体表現性障害 関連サイト>
身体表現性障害
http://www.oak.dti.ne.jp/~xkana/psycho/clinical/clinical_21/index.html
身体表現性障害
http://members.at.infoseek.co.jp/moritoumi/sintai.htm
特集 身体表現性障害
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_421.htm
(座談会形式です)
身体表現性障害の概要
http://www.tvk.ne.jp/~junkamo/new_page_424.htm


<メルクマニュアル 関連サイト>
メルクマニュアル家庭版
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/index.html

万有製薬、メルクマニュアル家庭版の最新版をオンラインで無償提供開始
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/361252.html
(読むにはパスワードが必要です)
万有製薬は2005年2月23日、家庭向け医学書「メルクマニュアル医学百科 最新家庭版」オンライン版の無償公開を開始した。
■メルクマニュアル医学百科 最新家庭版は万有製薬の親会社の米Merck社が発行する「The Merck Manual of Medical Information Second Home Edition」の日本語版。
2004年6月に日経BP社が書籍版を発刊している。
専門家向けの医学書である「The Merck Manual」をもとに作成しているため、薬学生や看護学生にも適している。
万有製薬は1999年から「メルクマニュアル医学情報 家庭版」をオンラインで公開している。最新家庭版は家庭版を6年ぶりに大幅改訂したもの。
「知っておきたい基礎知識」など新たに35章を加え、動画や写真を多数追加して情報量を充実させた。
<コメント>
「下手なドクターのインフォームドコンセントで時間をつぶすより、はるかに分かりやすい」という辛口コメントも目にしました。



読んでいただいて有難うございます。
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