体内時計

昨夜10時からのNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」をご覧になった方も多いのではないでしょうか。

プロフェッショナル 仕事の流儀 「若きプリンス、生命の謎に挑む 生命科学者・上田泰己」
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/100216/index.html


実は私はこの時間帯はもっぱら「報道ステーション」を観ています。
しかし、前もってオリンピック一色の内容だろうなあという気持ちと9時のニュースを観てしまった手前、この番組にスイッチを入れました。

この番組を見始めて驚きました。
実は、この日の朝刊で彼の記事を読んだばかりだったのです。
何という偶然でしょうか。
体内時計のことはもちろん知っていましたが、恥ずかしながら彼の名前を知ったのは昨日が初めてでした。



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出典 日経新聞・朝刊 2010.2.16
版権 日経新聞


##体内時計のネジをまこう!
#太陽の光がボタンをリセット
地球の1日が24時間なのに対し、人間の本来持っている1日の単位は25時間。
もし光も音も温度も1日中変わらない条件の中で生活すると、ヒトは25時間ごとに寝たり・起きたりする事になる。
人間以外の生き物も1日24時間とは限らず、24時間より長かったり、短かったりする。
この25時間1周期を1時間早めて、24時間で1日の周期に合わせる事ができるのが体内時計。
その時計とは、左右の眼の網膜からのびた視神経が、視床下部で交叉している所のすぐ上にある視交叉上核のこと。
直径わずか1ミリの超小型・超高性能時計。
その時計は朝、眼から入る太陽の強い光を感知すると、3~8ミリとやはり小さな松果体に信号を送る。松果体からは「時計ホルモン」と呼ばれるメラトニンが分泌される。メラトニンは約14時間後に睡眠を促すホルモンで、血流によって、カラダのすみずみまで時間の情報を運んでいく。
私たちは太陽の光を浴びる事で、体内時計を1時間早めるリセット・ボタンを毎日押しているのだ。



体内時計のリセット・ボタンはここ!
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#太陽の光がボタンをリセット
地球の1日が24時間なのに対し、人間の本来持っている1日の単位は25時間。
もし光も音も温度も1日中変わらない条件の中で生活すると、ヒトは25時間ごとに寝たり・起きたりする事になる。人間以外の生き物も1日24時間とは限らず、24時間より長かったり、短かったりする。
この25時間1周期を1時間早めて、24時間で1日の周期に合わせる事ができるのが体内時計。
その時計とは、左右の眼の網膜からのびた視神経が、視床下部で交叉している所のすぐ上にある視交叉上核のこと。
直径わずか1ミリの超小型・超高性能時計。その時計は朝、眼から入る太陽の強い光を感知すると、3~8ミリとやはり小さな松果体に信号を送る。
松果体からは「時計ホルモン」と呼ばれるメラトニンが分泌される。メラトニンは約14時間後に睡眠を促すホルモンで、血流によって、カラダのすみずみまで時間の情報を運んでいく。
私たちは太陽の光を浴びる事で、体内時計を1時間早めるリセット・ボタンを毎日押しているのだ。



#体内時計を正常化するポイントは
#朝、まずは決まった時間に太陽の光を浴びるようにする
どうしてもキツイ人は、起床の時間に徐々に明るくなっていくタイマーがついたライトを使ってみよう!
部屋が日陰の人は、あえて屋内照明もつけ、明るさを強くする。

#昼間、なるべく外に出る機会を作る
昼間に明るい所で活動すると夜、メラトニンの生成が多く促される。
散歩などで運動もすると、寝付きも良くなる。

#毎日できるだけ他人とふれあう
人と会う・話す事も大切!社会のリズムに合わせる事で、24時間の周期を感じやすくなる。
家に閉じこもっていると、25時間周期に近い不規則な生活となりやすい。
人と会う機会が減れば、太陽を浴びる時間も少なくなる。

#規則正しい時間に食事をとる
特に朝食をとり、早く血糖値をあげる事で、1日のリズムが作りやすくなる。






<参考および引用サイト>
体内時計のネジをまこう!
http://www.health.ne.jp/library/3000/w3000298.html



<体内時計 関連サイト>
体内時計のしくみ
http://poesie.hp.infoseek.co.jp/SD1_tainaitokei.htm
(文中の「抹消時計」は「末梢時計」の誤りです)







<上田泰己氏 関連サイト>
「20代で教授職相当に抜擢、体内時計研究で先頭走る」、理研の上田泰己氏
http://www.nikkeibp.co.jp/archives/326/326385.html
■昼間活動し、夜眠る人間のリズムは脳の中心部にある器官で刻まれている。
その体内時計の動きに狂いが生じると様々な問題が起こる。
例えば、朝になっても体がまだ夜の状態だと登校拒否症の一因となり、痴呆患者の夜間徘徊はその逆だ。うつ病もリズム障害が原因の1つとなる。
■「遺伝子を時計の針に見立てれば、体内時計の動きは簡単に分かります」。
こうさらりと話す上田氏は、3月に東京大学の博士課程を修了したばかり。理研が神戸市に設置した発生・再生科学総合研究センターで、バイオテクノロジーとIT(情報技術)の融合領域を研究している。
研究室の責任者であるチームリーダーとなって2年目。11人の部下がいるが、半数以上は年上だ。
■東大医学部に現役合格しながら、医師の道には進まなかった。
「根本的な治療法が確立していない病気があまりに多く、現代の医学に失望した」と上田氏は言う。
転機は大学3年生になった1996年に訪れた。
酵母と呼ばれる微生物のゲノム(全遺伝情報)がすべて解読されたことだ。
当時、人のゲノムの解読プロジェクトも世界中で進められていた。
「ゲノムが分かれば生物全体を1つのシステムと捉えることが可能になる」。
そう考え、病気の原因やその根本的な治療法を開発する研究者になろうと決意した。
■上田氏は、1日の中で規則的に量が変化する遺伝子に注目した。
そこで、1万個以上の遺伝子の濃度を網羅的に解析できるDNAチップという機器を使い、体内リズムの周期に沿って量が変わる遺伝子を160個以上見つけ出した。
まるで、大きなパズルを解くような作業だが、そのうちの数十個の遺伝子の濃度が分かれば、体内の時刻を1時間程度の誤差で計れることを突き止めた。
■生活スタイルが多様化した現代社会で、2~3割の人が体内リズムに何らかの障害を持っているとの推定がある。
体内時計に従い、体温や血圧、それに分泌されるホルモンの量も変わるため、体内の時刻が把握できれば、それに合わせて薬を投与するタイミングや量を決められる。
一部の抗ガン剤は、患者の体内リズムを基に投与量を調整することで副作用が減らせる。
医学への貢献は決して小さくない。
■従来の体内時計を知る方法だと、特定の体内物質を4時間おきに48時間連続して測定する必要があり、患者の負担が大きかった。
1回の測定で可能にする上田氏らの研究は、何より、医療の現場が強く求めていたものだ。
病気のメカニズムを解明し、新薬を見いだす──。
上田氏はその新たな手法の開発に動き始めている。

爆笑問題のニッポンの教養 | 過去放送記録 |FILE021:「『体内時計』は いま 何時?」
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20071211.html



読んでいただいて有難うございます。
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