女性に多い関節リウマチ

全国で70万人と言われる関節リウマチ患者さんのうちおよそ80%が女性です。
つまり男性の約4倍の発生頻度です。
代表的な膠原病と呼ばれる全身性エリテマトーデスが約5万人、強皮症が1万人強といわれています。
したがって、関節リウマチが非常に多いことがわかります。
地域差はなく日本では人口の0.4-0.5%といわれています。

高齢者の病気だとイメージしている人もいますが、実は、30代~50代の働き盛りの女性に発症することが多い病気なのです。
主婦の病気と言われるのは、こうしたことが理由となっています。
女性にとっては、関節の変形のためにネックレスや指輪ができない、人前に出たくないなど、外見上の悩みにつながることもあるのです。
これらは表面的なことですが、内臓レベルでは肺や心臓などに炎症が現れたり、重篤な場合には寝たきりになってしまうこともあります。

なぜ女性の方が多いのでしょうか。
それには免疫システムと女性ホルモンが大きく関わっているのです。
関節リウマチだけではなく、「全身性エリテマトーデス」なども含む「自己免疫疾患」の多くが、男性より女性に多くみられます。
その理由については、女性ホルモンと妊娠・出産の影響が考えられます。
女性ホルモンに含まれているプロラクチン(乳腺刺激ホルモン)やエストロゲン(卵胞ホルモン)などは自己免疫反応を高める働きをします。
また、円滑な妊娠・出産のため、免疫機構が男性よりも複雑になっています。
例えば妊娠中は、胎児を異物と認識しないように、ステロイドホルモンがたくさん作られて、免疫の働きを抑えます。
そのため、妊娠期間中に関節リウマチの症状が軽くなり、出産後に症状が悪化する事がよく起ります。
妊娠中は抑えられていた免疫の働きが、出産後は元通りに、あるいは一時的にはずっと高められるため、その際に自己免疫疾患が起るとされています。

このように、自己免疫疾患が女性により多く起るのも、女性ホルモンの性質や、免疫機構が複雑に働く事が影響しているのかもしれません。





<参考および引用サイト>
なぜ女性に多い関節リウマチ
http://rheumatism.39medical.com/meisin/josei.html


<関連サイト>
女性に多い関節リウマチ | 関節リウマチの基礎知識
http://vfyhn.ehpf.net/kiso/02.html

女性患者の多い関節リウマチ | リウマチの初期症状・原因と治療のススメ
http://www.belioc.net/chishiki/josei.html

リウマチの原因や症状について
http://roblog.jp/04.html

関節リウマチってどんな病気?
http://www.health.ne.jp/library/3000/w3001077.html


リウマチと女性について
http://a-supplement.net/ryumachi/josei.html

女性関節リウマチ患者の妊娠&出産編
http://www.privatecare.jp/guide-kansetsu.html

知っておこう!  慢性関節リウマチ
http://www.azegami.com/riumachi/riumachitoha2.htm

(これらのサイトを調べてみると結構元ネタが一緒なのに驚きました)



読んでいただいて有難うございます。
コメントをお待ちしています。
井蛙内科開業医/診療録(4)
http://wellfrog4.exblog.jp/
(H21.10.16~)
井蛙内科開業医/診療録(3)
http://wellfrog3.exblog.jp/
(H20.12.11~)
井蛙内科開業医/診療録(2)
http://wellfrog2.exblog.jp/
(H20.5.22~)
井蛙内科開業医/診療録 
http://wellfrog.exblog.jp/
(H19.8.3~)
(いずれも内科専門医向けのブログです)
葦の髄から循環器の世界をのぞく
http://blog.m3.com/reed/
(循環器専門医向けのブログです)
葦の髄
http://yaplog.jp/hurst/
(「葦の髄から循環器の世界をのぞく」のイラスト版です)