「お酢ジュース」で内臓脂肪を減らす

お酢ジュース」で内臓脂肪を減らし、太りにくい体を作る

毎日たったスプーン一杯で、内臓脂肪を減らし、太りにくい体を作ることができる「お酢」のパワー。
「酸味の強いお酢を毎日摂取するのは難しい」と思う人にお勧めしたいのが「お酢ジュース」として飲む方法です。

お酢ジュースで人気のカフェ「まるさんフーズ」(東京・世田谷)のSさんによると、手作りお酢ジュースの基本は「果実、氷砂糖、酢を同量の割合で漬け込み、氷砂糖が溶けたら飲みごろ」だそうです(ドライフルーツの場合は、酢の約4分の1の量で2週間程度漬け込みます)。

「使うお酢はクセのない穀物酢が基本ですが、純米酢や黒酢、リンゴ酢などでもOKです。味わいの違いを楽しめます」(Sさん)。
ポイントは蓋(ふた)までガラス製の保存容器を使うことと、直射日光の当たらない冷暗所か冷蔵庫で保存すること。ブドウは皮ごと、バナナは熟れているものを使うとおいしいとか。
イカやナシなど水分が特に多い果実は向かないそうです。

飲みごろはフレッシュな果実で作った場合は1カ月以内。
以下にSさんお勧めのレシピを紹介します。



アップルシナモン酢サイダー
■血管を元気にするシナモンパワーも味方にして
シナモンは、漢方では「桂皮(けいひ)」と呼び、血流をよくする生薬として使われるスパイス。
「毛細血管の老化を防ぐ『Tie2』という受容体を活性化することが分かりました」(大阪大学微生物病研究所教授の高倉伸幸さん)。
お酢と組み合わせることで、血管の健康維持のための相乗効果が期待できます。
シナモンパウダーを飲む前に振りかけると香りが引き立ち、酢の酸っぱさを和らげてくれます。
リンゴとの相性もバツグン。

★レシピ
グラスに、下記の要領で作ったアップルシナモン酢60ml、炭酸水100ml、氷適量、漬け込んだリンゴ適量を入れて混ぜる。最後にシナモンパウダー適量を振りかける。

アップルシナモン酢の作り方
リンゴ…500g(芯と種をとった状態で。約2個)
シナモンスティック…3本
氷砂糖…500g
穀物酢…500ml
 
2リットル容量のビンを用意。リンゴはよく水洗いし、芯と種を切り落とし、皮ごと2~3mmのいちょう切りに。
ビンにリンゴを入れ、シナモンをリンゴの間に差し込むように入れる。
その上に氷砂糖を加える。穀物酢を加え、ふたをして冷暗所か冷蔵庫に保存する。
賞味期限の目安は、作った翌日から1カ月後くらい。

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黒豆酢きなこソイ
■疲れをとるトリプトファンも一緒に補給
心を穏やかにして集中力を高めるといわれる脳内物質・セロトニン
セロトニンの活性化のために欠かせないのが大豆(きなこ、豆乳)に含まれるトリプトファンというアミノ酸疲労回復効果が高いことも分かっています」と、大阪市立大学大学院医学研究科特任講師の福田早苗さん。
「黒豆に含まれるビタミンB1なども代謝アップに役立ちます」。
酢に漬かった黒豆は、そのまま食べても甘みがありおいしい。

★レシピ
グラスに黒豆酢30ml、きなこ大さじ1/2、黒蜜小さじ1弱を入れ、よく混ぜる。
豆乳100mlを加えながらよく混ぜ、最後に漬け込んだ黒豆、氷(それぞれ適量)を加える。

黒豆酢の作り方
黒豆(乾燥したもの)…100g
氷砂糖…400g
穀物酢…400ml
 
黒豆はフライパンで、5分程度空煎りしてから漬け込む。
2週間目くらいからが飲みごろ。

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レモン黒酢ソーダ
■レモンのクエン酸でダブル代謝アップ!
「レモンやネーブル、グレープフルーツなどのかんきつ類に含まれるクエン酸も、疲労を回復する成分としておすすめ」と福田さん。
黒酢の原料である玄米にはトリプトファンも含まれています。
黒酢のコクとレモンの酸味が合わさり、シンプルながらお酒のような深い味わいです。お湯割りで飲んでも、おいしい。


★レシピ
グラスにレモン黒酢60ml、炭酸水100ml、氷を入れて混ぜる。漬け込んだレモンの輪切りを入れる。

レモン黒酢の作り方
レモン…100g
氷砂糖…400g
黒酢…400ml
 
レモンは皮ごと輪切りにして氷砂糖と黒酢に漬け込む。

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トマト酢ソーダ
■トマトの抗酸化作用で、肌も体も元気に!
トマトに含まれるリコピンは、抗酸化作用が高く、肌のコラーゲンの損失を抑制し、コラーゲンを増やすと報告されています。
さらに、「トマトには抗疲労に有効なαリポ酸も含まれています」(福田さん)。
夜は赤ワインで割っても◎。
ドライトマトには栄養成分が凝縮して入っているので、実も余さず食べましょう。そのままでもおいしいですが、細かく刻んでミートソースに加えるなど料理にも使えます。


★レシピ
グラスにトマト酢60ml、炭酸水100ml、氷適量、漬け込んだドライトマト適量を入れて混ぜる。

トマト酢の作り方
ドライトマト…100g
氷砂糖…400g
穀物酢…400ml
 
ドライトマトを氷砂糖と酢に漬けこむ。2週間目ころからが飲みごろ。
漬け込んだドライトマトは料理にも使える。

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ホットショウガ酢ハニー
■ショウガで血流をよくして、体ぽかぽか
古くから漢方では血流アップのために用いられているショウガ。
辛み成分ショウガオールが、体を温め、冷えを和らげます。
また脂肪の分解・燃焼を促したり、免疫力を高める作用などもあります。
ショウガ酢はそのままでも氷砂糖の甘みがありますが、好みでハチミツを加えてもおいしい。
ホットで飲むのはもちろん、炭酸水で割ってジンジャーエールも楽しめます。


★レシピ
カップにショウガ酢50ml、湯100mlを入れて混ぜる。好みでハチミツ小さじ1を加える。

ショウガ酢の作り方
ショウガ…100g
氷砂糖…375g
穀物酢…350ml

ショウガは皮をむき、1mm厚の薄切りにして氷砂糖と酢に漬け込む。

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■いろいろある「お酢」はここが違う
穀物
穀物を1リットルあたり40g以上使用したもの。
米以外に、小麦やコーンなどが使われます。
特徴はスッキリとしたクセのない酸味。いため料理や煮物、ピクルスなど幅広い用途で使えます。

米酢
穀物酢のうち、米を1リットルあたり40g以上使用したもの。
まろやかな酸味が特徴です。
酢のものやおすしなど、和食との相性は最高です。

黒酢
米(ぬかを完全に取っていないもの)を1リットルあたり180g以上使用し、褐色または黒褐色をしたもの。
ジュースとしても飲みやすく、料理に使うとコクをプラスできます。

リンゴ酢
果実酢のうち、リンゴ搾汁を1リットルあたり300g以上使用したもの。
ハチミツと合わせてリンゴ酢ジュースに。ドレッシングにもぴったりです。

ワインビネガー
果実酢のうち、ぶどうの搾汁を1リットルあたり300g以上使用のもの。
オリーブ油などと合わせて、フレンチドレッシングとして使うほか、ドリンクとしても楽しめます。

バルサミコ酢
産地や熟成年数、ブドウの種類、製法などが法律で定められているもの。
濃縮したブドウ果汁とワインビネガーを混合し、ジュースをたるで発酵熟成させます。
アイスクリームにかけてもおいしい。
  (日経ヘルス プルミエ 三谷弘美、ライター 柿本礼子)
出典 日経新聞・Web刊 2011.2.25(日経ヘルス&プルミエ)
版権 日経新聞



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