感染性腸炎(5)

ノロ対策 適切な手洗い

関西地方の特別養護老人ホームで2005年12月、80歳代の入所者の女性が就寝中に突然、嘔吐し始めた。
翌日の昼食時には、別の入所者2人も激しく嘔吐し、さらに職員の間にも広がっていった。

3日後には、発症者が10人に達し、施設では症状からノロウイルスの集団感染の可能性があるとみて、保健所に通報。
職員と入所者4人の便の検査で、ノロウイルスが検出された。

ノロウイルスは冬に流行しやすい感染力の強い病原体。
少ない量でも感染する恐れがあり、発症すると、激しい嘔吐や下痢に襲われる。
潜伏期間は2日前後と短く、ワクチンや治療薬はないが、通常は3日程度で自然に治る。
だが、下痢などで脱水症状を起こしやすくなるため、こまめに水分補給することが大切だ。

ウイルスは、加熱が不十分な二枚貝や、感染した人の大便や吐物に潜んでいる。
子供や高齢者などが多く集まる施設では、床に飛散した患者の下痢便や、吐物の衛生管理などが不十分な時、指などに付着したウイルスが口に入ることで集団感染を招く恐れがある。

腹痛や下痢が治まっても1週間程度は便にウイルスが潜んでいることもある。
排便後の手洗いを徹底し、食品などを扱う時は使い捨ての手袋を着用するなどの注意が必要だ。

東京都内で11年11月中旬、老人福祉施設の職員や看護師など約50人が参加し、感染症対策セミナーが開かれた。
ノロウイルスなど施設内で集団発生しやすい感染症の予防や、発生時の対策について学んだ。

実習では、便に見立てた液状の物質に特殊なクリームを混ぜ、オムツを処分する作業を体験。
紫外線ランプに当てると青白く浮かび上がるクリームの性質を利用して、便に触れたかどうかが確認できる。

参加者がランプの下に手をかざすと、便が手に付着してしまっていることが多かった。
また、手全体にクリームを塗った後で手洗いをしてもらった実習では、洗い残しが浮かび上がった。
老健施設に勤める40歳代の女性は「自分は大丈夫と思っていたのに、意外と汚れが落とせていないので、ショックです」と話す。

講師を務めた感染管理認定看護師の森下幸子さんは「衛生管理に意識の高い介護職の人たちでさえも、なかなか難しい。繰り返し、適切な手洗いの方法を指導することが必要です」と強調する。
(野村昌玄)

出典 YOMIURI ONLINE yomi.Dr. 2012.1.13
版権 読売新聞社


<自遊時間 その1>
国旗掲揚、国歌斉唱を拒む教員への処分が問題となっています。
はたして諸外国では、こういった問題があるんだろうか、とつい考えてしまいます。


<自遊時間 その2>
F県で民間人を巻き込んだ銃撃事件が続発しています。
丸腰の一般人には暴力団排除条例は、いわば「前門の虎、後門の狼」です。
こうなることは最初から分かっていることです。
警察による安全確保が担保されていない限り犠牲者は今後も続きます。
教員処分問題ともども「法(条例)は正義か?」と心の中で叫んでしまいます。



きょうのGoogleのロゴ。
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アニメ“西遊記”の制作者・万兄弟の生誕112周年です。
ただし、国によってロゴが違っています。
日本は中国と一緒という「くくり」なようです。
http://addieworks.typepad.jp/google_logo_museum/2012/01/google-logo-%E4%B8%87%E7%B1%9F%E9%B3%B4-%E4%B8%87%E5%8F%A4%E8%9F%BE-%E7%94%9F%E8%AA%95112%E5%91%A8%E5%B9%B4.html




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