リウマチ治療、幅広がる

関節リウマチの新薬が次々に登場し、治療の選択の幅が広がっている。
関節の破壊を抑える効果が高く、患者の生活の質(QOL)が改善されている。
ただ、重い副作用や発がんリスクが心配されるものもあるから注意が必要だ。

リウマチ治療、幅広がる 関節破壊を抑える新薬、次々承認

■リウマチの発症は40~60歳が中心で患者は女性が多い。
関節の痛みや腫れに加え、関節が壊れ、変形し、生活に支障がでる。

■1999年に抗がん剤メトトレキサート(MTX)が関節リウマチでも承認され、2003年以降、関節の破壊を抑える効果が高い生物学的製剤という新薬が次々と承認された。

■MTXは患者の7割に痛みや腫れに対して有効という調査がある。
しかし、肝障害や腎障害などがあれば使用出来ない。
効果が見られなければ生物学的製剤の投与を加える。

■2013年には、関節リウマチの原因の一つである過剰な炎症反応を抑える合成薬トファシチニブ(錠剤)が承認された。
従来の薬が効かない患者に効く可能性があり、生物学的製剤のように使っていて効果が出にくくなることがない。
ただし、この新薬は治験の段階で「多重がん」がみられており、がん患者には使用出来ない。
がん治療歴のある人も避けた方がよい。
<私的コメント>
がんが潜んでいる(潜在がん)人ももちろん使用しない方がいいが、こういった場合の診断自体きわめて難しい。
この薬剤の限界かも知れない。
関節リウマチの治療薬で「がん」になって落命したい人などいない。

■最近の新薬は服薬で免疫力が抑えられるため感染症になりやすくなるなどの副作用がある。
日本人の場合、健常者に比べて1.7倍~2倍リスクが高まる。
感染症は肺に多いが、皮膚、泌尿器、消化器にも起こりうる。

■生物学的製剤の場合、免疫細胞で封印されていた結核菌が動き出し、発症することがある。

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出典 朝日新聞・朝刊 2014.1.7
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