まぶしく感じる

目の不調の感じ方はいろいろあります。
「まぶしく見える」のは代表的な自覚症状の一つです。
強い日差しを浴びているわけでもないのに、まぶしさが気になるようなら異常のサインです。


《まぶしく感じる》 白内障・角膜炎・網膜…原因は様々

まぶしさを感じる原因としては、まず、外からやってきた光が目の中で乱反射してしまうことが考えられる。

典型的なのが「白内障」。
レンズの役割を果たしている水晶体が濁る病気で、目の前に霧がかかったように見える。
濁りに光があたって散乱するため、明るい所ではまぶしく感じるようになる。

病院の検査室で視力を測ると良好だが、屋外ではとても見づらいと訴える患者さんが多い。
物が二重に見えるのも、特徴的な症状だ。

黒目の部分の表面にある角膜が傷んだ場合も、光が散乱してまぶしく見える。
涙の量が減るなどして目が乾燥し、角膜が荒れてしまう「ドライアイ」も、そうした病気の一つだ。
目がゴロゴロするような異物感や、目の充血などの症状がよくみられる。

「角膜炎」と呼ばれる状態では、激しい痛みを伴う。
スキー場や海水浴場などで強い紫外線に目がさらされたときのほか、コンタクトレンズの使い方が不適切で細菌やウイルスに感染したときなどに起こる。

一方、目の組織が光に過敏になっているため、まぶしさを感じる場合もある。
ぶどう膜と呼ばれる眼球全体を包む膜が炎症を起こす「ぶどう膜炎」がその一例。
免疫の異常による全身の病気が原因になっていることが多く、白目が充血し、症状が強くなったり弱くなったりと変動することが特徴。

目の億にある網膜(カメラのフィルムの役割をする部位)に異常がみられる「網膜色素変性症」でも、まぶしく感じることふぁある。
視細胞(目に入ってきた光に反応して神経に信号を伝える細胞)が障害を受けるためで、暗い所で見えにくい夜盲症も典型的な症状だ。

目の周りの筋肉がうまくコントロールできなくなり、まばたきの回数が異常に増えるなどの症状が出る「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」も、まぶしくなることが多い。
この原因はよくわかっていないが、強いまぶしさが続くのは、脳の奥深くのところで、神経が雑音を感じているためと考えられている。

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出典 朝日新聞・朝刊 2013.11.11(一部改変)
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