デング熱

国内でデング熱発生のニュースが流れました。
全世界では年間約1億人がデング熱を発症し、約25万人がデング出血熱を発症すると推定されています。
デング熱の多くは非致死性の熱性疾患です。
ごく一部が、重症型のデング出血熱やデングショック症候群という重症型です。

デング熱の国内の感染者数は250人程度ですがそのうち2~3割の患者は東京で確認されています。
人口が密集し蚊の産卵場所となる人工の水溜りが多く、餌となる人間も多く海外から訪れる人も多い。
条件は揃い過ぎです。
という意味では感染を広げやすい都市でもあります。
さらには大都会のヒートアイランド現象で気温は高く多湿で蚊が繁殖するのに適した緑地や公園、神社などが多いといった面でもデング熱の危険と隣り合わせの都市と言えます。
蚊は日本では夏しか生きていけません。
したがって、とりあえず今年は10月ごろには終息するはずです。

補足;
ヒトスジシマカネッタイシマカでは後者の方が感染を広げるようです。
今の所国内ではネッタイシマカの生息は確認されていません。
参考
1944~1952年に熊本県天草で一時的に発生。
沖縄には20世紀初頭まで生息していた。




以下、ニュース。

神奈川県の2人 デング熱に感染の疑い
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140831/k10014233921000.html
・東京の代々木公園の周辺を訪れた神奈川県内の20代の男子大学生と10代の女子高校生の合わせて2人がデング熱に感染した疑いがあることが分かり、国立感染症研究所が確認の検査を行っている。

デング熱を巡っては、海外への渡航歴のない東京都内の同じ学校に通う男女3人がおよそ70年ぶりに国内で感染していたことが確認されているほか、新潟県内の10代の男性が発熱などの症状を訴え、感染したかどうか確認の検査が行われている。
これらの4人はいずれも、今月、東京の代々木公園を訪れていて、公園内で蚊に刺されて感染した疑いがある。

デング熱は、人から人には感染せず、ほとんどの場合、1週間程度で回復するという。
症状が重くなると、まれに死亡することもある。


厚労省デング熱」で冷静な対応求める
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140831/k10014231601000.html
デング熱は蚊が媒介する感染症で、人から人には感染しない。
私的コメント;
蚊は移動しなくても人は移動します。
「人から人には感染しない」ということが強調されているが、蚊を媒介としているわけだから間接的には「人から人に感染する」はず。(ヒト→蚊→ヒトの感染環)
私達が最も知りたいのは、デング熱を媒介するネッタイシマカヒトスジシマカが日本にどのくらいいるかということと、他の蚊は大丈夫かということです。
それぞれの蚊の全国の分布とウイルス保有率が知りたいのです。
もっとも、「この蚊なら刺されてもいい」と刺された時に判断することは出来ません。


・アジアや中南米など熱帯や亜熱帯の地域で流行していて、日本では海外で感染し、帰国後発症する人が年間200人ほど報告されている。
去年はこれまでで最も多い249人の患者が確認されている。

厚労省は「蚊はあまり移動しないことから、今のところ感染が大規模に広がるおそれはない」として冷静な対応を求めている。



以下、関連サイト。

デング熱に関するQ&A(厚労省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dengue_fever_qa.html

デング熱国立感染症研究所 感染症センタ-)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_50/k04_50.html

デング熱
http://ja.wikipedia.org/wiki/デング熱

デング熱 Dengue Fever
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html
私的コメント;
比較的平易に書かれています。


デング熱 Dengue fever(東京都感染症情報センター)
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/dengue/
私的コメント;
デングウイルスを媒介する蚊(ヒトスジシマカネッタイシマカ)の写真を見ることが出来ます。