なぜあなたは痩せられないのか?

なぜあなたは痩せられないのか?

2008年4月に導入された「メタボ健診」では、何とも屈辱的なことに、40~75歳の中高年男女は、有無を言わさず“痛くもない腹”を測られることになりました。

メタボリックシンドロームの予防・改善と言えば、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」である。
 
血圧が高い、血糖値が高い、コレステロール値が高い・・・そんなとき、今どきは、そこそこ良いクスリがあって、見かけ上は、手っ取り早く正常値を維持することができる。
だが、検査の数値は良くなっても、どうしても痩せられず、無力感を覚えている人は多い。
世の中には、画期的なダイエット法が山ほどあるはずなのに、なぜ自分は痩せられないのか。
実はそれは、心の持ちよう。
人間の思考・行動・感情の特性を踏まえて、行動変容にまで持ち込めればいいのだ。
では行動変容はどうやって起こせばいいのか。

どうしても痩せられない・・・その敗因の多くは「高望みをしすぎ」
目標、週に4日守れたらOK
好物減らすのは、「高望み」
そもそも本人のやる気がないと何も始まらないが、その気になったとしも、いきなり高望みしすぎることが、敗因になっているケースが多い。
 
例えば、毎日の夕食で、ご飯を2杯食べている人が、それを1杯に減らせば、かなりの効果が望めることは明らかだ。
それゆえ、医師や栄養士もそうした方法をつい勧めがちだし、当の本人も、それがかなり有効な方法だということを理解できる。
しかし、いざ実行しようとするとどうだろう。
差し迫った生命の危険でドクターストップがかかれば別だが、そうでないと、なかなか実行には移せない人の方が多いのではないだろうか。
 
理由は単純だ。
その人は、ご飯が好きなのだ。
嫌なこと、あるいは自分でできないと思っていることを目標にしても、絶対に達成できない。

少し小さな目標に乗り換える。大好きなご飯をやめる代わりに(続けるかわりに)、少しだけ長く歩く。
毎日3000歩歩く人なら、4000歩に増やすだけでいい。
 
目標が自分に合っているかどうかは1週間試してみれば分かる。
まじめな日本人は、減点主義に陥りやすく、7日間続かなくてはダメだと思い込む。
4日できれば60%達成、5日なら大成功だ。
 
目標を決めたら、次は「自己効力感」。
平たく言うと、「効き目があるじゃないか」と、実感することだ。
記録を取ろう。

毎日体重を記録し、目標を達成した日に丸を付ける。
普通の体重計で十分。
わずか3秒ですむ。

体重計を居間に
体重計は、居間でも洗面台の前でも、毎日の動線の中に置く。
記録も冷蔵庫に張り出せば、家族の目にも触れるし、ビールに伸ばした手も引っ込
むかもしれない。

手書きで記録するのが面倒なら、スマートフォンのアプリケーションなどに頼ってもいい。視覚に訴えてみよう。
グラフ化する際、目盛り幅を大きくし、100グラム減でもグンと減ったように見えるようにする。
10Kg刻みでは一向に効き目が実感できない。
 
食事の記録も有効だ。
「そんなに食べていない」と言い張る人の多くは、記念日の外食などハレの日は記録しても、日常の食事は抜け落ちている。
毎日、ツイッターなどで他人に見せるための写真を撮ろうとすれば、おかずのバランスを取ろうとする。
それだけでも効果がある。
また、後日「あの日は結構食べていた」と認識できる。
  
記録し続けると、やれば痩せると分かってくる。
食べすぎた・飲みすぎたと思えば、体重が増えている。
翌日からまた気を付ければいい。
毎日運動や食事制限を続け、本当に体重が減れば自己効力態と達成感が生まれる。
次々ステップアップしたくなるのが人の常だ。

応援団を持とう
食事制限と運動との両立は理想だが、どちらかだけでもいい。
肥満の人と肥満でない人の生活習慣の決定的な差は「座っている時間」だ。
肥満の人は座位の時聞が圧倒的に長い。
まずはそこから改めるだけでいい。
立ち仕事の多い家事などは効果的だ。
 
重い腰が上がらない人がいる一方、従順な性格で医師などの助言に素直に従い、自分にプレッシャーをかける人もいる。
そういう人は「燃え尽き」に気をつけよう。
同様に、短期集中で一気に減らそうとするのも逆効果になりがち。
好きでないことをやれば、結局は長続きせず、リバウンドする。
  
ダイエットに、頑張りは禁物。
代わりに必要なのは、褒め上手な応援団。
家庭内にいなければソーシャル・ネットワーク・サービスを活用したい。
「ダイエットクラブ」や「ダイエット日記」といった励まし合うサイトもある。
応援団は「また飲んできたの」と叱らず、「今日は飲まなかったのね」などと褒めるところから始めよう。
 
真剣に減量に取り組み始めるきっかけが、同級生や芸能人の病気ということは少なくない。だが焦りは禁物。
できるところから徐々に始める。
 
ストレスは体重増加につながりやすい。
ストレスが脳の抑制機能を外し、減量に前向きに取り組めなくなる。
性格にもよるが、どうしてもうまく調整がとれないようなら、心理カウンセラーなどに相談するのも手だ。
 
人は他人によっては変えられないが、自らの心が動けば体も動き、望ましい体格にもなれる。
 
理想体重、あえて掲げない
体重や腹囲といった数値を目標にすると、短期間で成果を得たいと思うあまり、焦りと諦めにつながりやすい。
そうではなく、痩せるために「何をするか」という行動を目標にすることだ。
また、1ヵ月に2Kg以上は体重を減らさない「じっくり、ゆっくり」がリバウンドしないコツだ。


 
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