ヒートショックを防げ

ヒートショック防げ、実家のお風呂で工夫 暖房なくてもシャワーで浴室暖め、中で脱衣

もうすぐ年末年始の帰省の時期。実家のお風呂、ヒートショック対策はできていますか? 
大切なのは浴室や脱衣場の温度差をなくすことです。

ヒートショックは温度差による急激な血圧の変化で心筋梗塞を起こしたり、気を失ったりする現象だ。
入浴中におきておぼれることも多い。
東京都健康長寿医療センター研究所の推計では2011年に約1万7千人が入浴中にヒートショック関連で死亡。
約8割が65歳以上とされる。
 
寒い脱衣所で裸になったり、急に熱い湯に入ったりすることが大きな要因だ。
 
だが、東京ガスが15年、東京など1都3県の約1200人にインターネット調査したところ、築10年未満の一戸建て住宅では約7割が浴室に暖房を備えていたが、築20年以上では8割で暖房がなかった。
脱衣室に暖房がある住宅は、築年数にかかわらず一戸建てで約3割にとどまった。
 
一方、某メーカーが今年、約1千人を対象に実施したネット調査では、ヒートショックという言葉の認知率が最も低い世代は70歳代で、6割しか知らなかった。
 
築年数の長い家にいる高齢者ほどリスクが高いといえそうだ。

特に高齢者の場合、温度差を取り除く対策が必要だ。
浴室には暖房機の設置が望ましいが、ないなら入る前に熱いシャワーを流して湯気で温度を上げる。
脱衣所に暖房がない場合には、暖まった浴室で下着を脱ぐのもよい。
 
浴室や脱衣所に暖房機があるなら、早めにスイッチを入れて暖めておくのも大切だ。
なければ、居間などのドアを開けて、暖気をあらかじめ流し入れておくことも対策の一つとなる。
脱衣所は燃えやすい衣類があるので、ストーブなどは避けるようにしたい。
 
お湯の温度は40度以下にすることで、温度差を縮めることも必要となる。
自動湯張りの機能がない場合は、ベビー用の湯温計などを湯船に浮かべて確認する。
 
もう一つ、夫婦2人暮らしなら、入浴前の声かけも大切。
いざというときの早期発見につながる。
 
本格的にリフォームしなくても、暖房機を設置することもできる。
7万円台から買える壁掛け式の浴室暖房乾燥機(工事費別)もあり、壁掛け型暖房乾燥機のリースをしている企業も出てきた。

 
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参考
朝日新聞・朝刊 2016.12.16