花粉対策の基本はステロイド点鼻薬

花粉対策、基本はステロイド点鼻薬

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ・・・。
つらい花粉症を制するには、先手を打つことが肝心。
鼻にはまず点鼻薬をシュッ、そして目には点眼薬を。
症状がひどくなる前から始めるのが鉄則だ。

  ◇  ◇  ◇
 
くしゃみ、鼻水、鼻づまりを効果的に抑えるには、3段構えで薬を使うのがお薦めだ。
 
基本は、鼻に直接噴霧するステロイド点鼻薬
アレルギー反応による鼻粘膜の炎症を強力に抑える。
これを花粉が本格的に飛ぶ前、あるいは症状がごく軽いうちから花粉シーズンが終わるまで毎日使う。
飛散量が少なかったり、症状が軽かったりする日も毎日続けるのが重要だ。

現在よく処方されているのは「アラミスト(一般名:フルチカゾン)」、「ナゾネックス(同:モメタゾン)」「エリザス(同:デキサメタゾン)」などで、1日1回の点鼻ですむ。
ステロイドというと副作用が気になるが、現在主流のものは局所だけに作用し、全身への影響がほとんどない。
子どもにも長期間使える。

歯磨き後に使うなどと決めておけば、忘れにくい。
鼻に噴霧するときは容器の先端を若干外側に向けてシュッとするといい。
内側に向けると鼻中隔という血管が多い場所に薬剤が集まり、鼻血が出やすくなることがある。

このステロイド点鼻薬だけで症状が抑えられない場合は、眠気の出にくい第二世代の抗ヒスタミン内服薬を上乗せする。
人によって薬の効き目や眠気の出方に差があるので、自分に合ったものを処方してもらうといい。
 
この2段構えでも症状が治まらないときは、漢方薬の「小青竜湯)」を加えてもいい。
即効性があり、のんで30分くらいで鼻水やくしゃみがラクになる。
 
初期療法が間に合わず、すでに症状がひどいなら、これらの薬を最初から併用してもいい。

なお、血管収縮薬の点鼻薬は鼻づまりに即効性があるが、使いすぎるとかえって鼻づまりがひどくなる「薬剤性鼻炎」を招く。
使うのは1日1、2回までとする。
市販の点鼻薬にも配合されていることが多いので、使い方に気をつけたい。
 
もちろん、毎日のケアも大事。薬をのんでいるからと油断せず、外出時はマスクで花粉の侵入を防ごう。
鼻の中の花粉を洗い流す「鼻うがい」もお薦めだ。

根治療法の「舌下免疫療法」は3~5年
花粉症を根本から治したい! そんな人に向くのが「舌下免疫療法」。
アレルギーの原因になるスギ花粉のエキス(「シダトレン」)を毎日、舌の下に投与して体を慣らしていく方法で、健康保険も利く。
3~5年続ける必要があるが、平均8カ月間の段階で約9割の人が鼻と目の症状改善を認めていたというデータもある。
 
治療はスギ花粉のシーズンが終わって症状が完全になくなった6月頃に始めるのがベスト。
翌シーズンでの効果を期待するなら、遅くとも11月頃までには始めておきたい。
花粉症の時期と重なる受験に備え、子どもに治療を受けさせる例もあるという。

参考・引用
日経ヘルス 2018.3


私的コメント
外用薬が基本ということですが、確かに目も鼻も眼球結膜や鼻粘膜の一部は、いわば外部(外的環境)に露出しているわけですから外用薬を使用しない手はありません。
現在、アレルギー性鼻炎にはステロイド点鼻薬が主体ですが、アレルギー性結膜炎にはステロイド点眼薬と非ステロイド点眼薬の両者があります。
記事の中ではほとんど副作用がないようなことが書かれていますが、大なり小なり副作用があり、薬剤添付文書にも記載されています。
十分に理解しながら使うに越したことはありません。