花粉症ドライバー要注意

= 花粉症ドライバー要注意 = 
運転中のくしゃみ・涙/クスリの副作用で居眠り…事故の危険 車間距離の確保重要
花粉症に悩む車のドライバーにとってくしゃみや鼻水などの症状は事故を招きかねない難題だ。
実際、死傷事故を起こし有罪判決を受けたケースもある。
スギ花粉だけでなくヒノキ花粉の飛散も本格化するなか、車間距離を確保し、副作用の少ない治療を選択するなど、対策を徹底して安全運転に努めたい。

「症状が出た以上、速やかに運転を中止しなければならず、過失は軽いとはいえない」。
愛媛県今治市の国道で2017年4月、花粉症のくしゃみなどの症状で追突事故を起こし、3人を死傷させた50代の男性に松山地裁今治支部は18年2月、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。
 
男性は花粉症の薬を服用していたが、運転中に目のかゆみや連続するくしゃみなどの症状が激化。
前方不注意のまま対向車線にはみ出し、軽乗用車と正面衝突した。
 
たかが花粉症と甘く考えるのは禁物だ。
正常な運転ができない状態で事故を起こせば、重い責任を問われる恐れもある。
 
くしゃみは肋骨骨折の原因になることもあるほど衝撃が大きく、ハンドルの誤操作を招きかねないほか、くしゃみ1回で0.5秒、目をつぶると仮定すると時速60キロで走行中ならその間に車は8メートル進む計算になる。
花粉症では2回、3回と連続してくしゃみが出る患者も多い。
涙や鼻水などの症状も運転に影響しやすく、大変危険だ。
 
車内に花粉を持ち込まない対策として、空調で外気を取り込まないように設定を変更したり、空調のフィルターを定期的に交換したりすることが挙げられる。
しかし、なにより症状がひどい時は運転しないことが最も大事。
もし運転する場合も、突然の症状に備えて普段よりも車間距離を広く取り、速度も落とすべきだ。
 
仕事で車を運転する従業員がいる企業も注意が必要で、企業側もドライバーの体調に気を配り、症状が重い患者がいれば対策を促す必要がある。
 
一方、花粉症の薬は眠くなったり、集中力が低下したりする副作用にも注意が必要だ。
抗アレルギー薬には眠気の副作用があるものが多く、薬の添付文書に「運転などに従事させない」「服用中は車の運転に注意」と明記されているものもある。
 
特に古いタイプの薬や市販薬は副作用が強かったり、症状を十分抑えられなかったりするケースがある。
車を運転する場合は医師と相談し、運転に影響が少ない薬を選ぶことが大切だ。

<まとめ> 花粉症のドライバーは安全運転に一層注意が必要
注意点
・症状が激しい時は、運転を避ける 
・車間距離を十分に確保
・速度を抑える 
・外気から花粉が入らないように空調を設定
・眠気の副作用が小さい薬を医師に相談

参考・引用
日経新聞・夕刊 2018.4.5