高温多湿、頭皮を健やかに

清潔保つケア 習慣づけ 洗髪、後ろから前へ / 乾燥は毛の根元から

毛髪は、頭皮の内部で作られ成長する。
頭皮は畑の土壌のようなもの。
畑が荒れていると作物が育たないように、頭皮環境が悪化していると、健康な毛髪が育ちにくくなる。

梅雨から夏にかけては、汗をかきやすく皮脂の分泌量も増える。
頭皮に余分な皮脂や汚れがたまると、もともと頭皮に存在する常在菌が皮脂などを養分として繁殖しやすくなる。
常在菌が増えると、かゆみや臭いの原因になる。
また、過剰な皮脂とカビが原因となる脂漏性皮膚炎を発症する人もいるので、注意が必要だ。
 
ひどいかゆみやフケ、炎症が続いたり、湿疹を伴ったりする場合は放置しないようにする。まずは、皮膚科を受診した方がいい。
 
受診が必要なトラブルに至る前に、頭皮を清潔に保つケアを習慣にしたい。
頭皮ケアの基本は、男女ともに洗髪。
毛髪だけでなく、頭皮を洗うことを意識したい。
 
洗髪の前に優しく髪をブラッシングした後、頭皮までしっかりぬらすように軽く湯洗いをする。
こうして泡立ちよくする準備をした上でシャンプーを使って洗う。
シャンプーは手のひらでよく泡立てることが大切。
髪に直接つけてからゴシゴシと泡立てると必要以上の洗浄力で頭皮にダメージを与えてしまう。
泡立てれば、シャンプーがムラにならずに髪全体を洗える。
 
洗う順序は、襟足から耳の後ろ、頭頂耶、額の生えぎわへと、頭の後ろから前に向かって洗っていくようにすると、洗い残しを防げる。
ポイントは指の腹を頭皮に当てて、こすらずに、地肌が動く程度の力でマッサージをするように洗うこと。
頭皮の血行もよくなる。
 
すすぎは、シャワーを下から上に向けて、髪の流れに逆らうようにしてシャンプーの泡を流す。
その後にリンスやトリートメントを使う場合も、保湿成分が余分に残らないように、しっかりとすすぐ。
 
洗髪後は、タオルで水気を拭き取った後、ドライヤーを使って頭皮と毛髪全体を十分に乾かす。
ドライヤーは頭皮から10~20センチ離して、乾きにくい髪の根元から風を当てる。
過度な乾燥を避けるために、温風で8割ほど乾かしたら、冷風で仕上げる。
 
シャンプー剤選びは、洗い上がりに頭皮のべ夕つきやつっぱり感がなく、1日過ごした後も髪のボリュームが保たれることを目安にする。
自分の頭皮の状態や好みに合わせて選ぶといい。
 
例えば乾燥や荒れが気になるときは刺激が弱いものを、しっかりと洗いたいときは洗浄力や脱脂力のあるものを選ぶ。
ただし、頭皮のべ夕つきが気になるからといって洗い過ぎると、頭皮が乾燥したり、取り去られた皮脂を補おうとしてかえって皮脂分泌を促したりすることもある。
シャンプーを使う洗髪は1日1回で十分だ。
*私的コメント
逆に、1日に何回もシャンプーをする人もいるのでしょうか?

頭皮や毛髪の健康には、生活習慣も影響する。
まずは栄養バランスの良い食事を心がける。
特に魚や肉、卵、大豆製品など髪の材料となるたんぱく質や、野菜や果物で育毛をサポートするビタミン、ミネラルをしっかりとる。
睡眠不足やストレスは自律神経の働きを乱し、頭皮の血流の悪化につながるので注意したい。

参考・引用一部改変 
日経新聞・朝刊 2019.6.15